日本人俳優の渡辺謙が主演するブロードウェイミュージカル『王様と私』が16日、米ニューヨークのリンカーン・センターで開演した。初公演のあと、この55歳の俳優はメディアから批判された。しかし、これらの批判は渡辺謙の演技に対するものではなく、英語力に対するものである。
渡辺謙は『ラストサムライ』などのハリウッド映画に出演したことで米国で名が知られている。
ミュージカル『王様と私』で、渡辺謙は主役の国王を演じ、台詞は全て英語である。このミュージカルは正式開演の前、3月12日から1カ月近くのプレビュー公演を行った。
プレビュー公演初日から一夜明けた3月13日に開かれた記者会見で、渡辺謙は「最も大変なのは英語力。映画はある程度間違いを許容するが、ミュージカルはミスを減らさないとお客さんに届かない」と話している。渡辺の心配は実証されたようで、16日の正式初公演のあと、米国の一部のメディアは彼の英語力を批判した。
『ニューヨーク・タイムズ』は、「彼の話は分かりにくい時がある」とし、『デイリーニューズ』は、「渡辺謙の英語力は改善の必要があり、台詞や歌詞がはっきり伝わらないことがある」と指摘した。
『ニューヨーク・ポスト』は、「英語は粗く、独唱も乱雑」とコメント。
一方、『ウォールストリート・ジャーナル』のように、「日本語アクセントはきついが、ささいなことだ」と寛容な態度を示すメディアもあった。
しかし、演技力は一部のメディアから高く評価されている。『共同通信』は、「英語力を除けば、渡辺謙のミュージカルでの演技は好評である」としている。
『ニューヨーク・タイムズ』によると、ある意味では、公演開始時は笑ってしまうが、渡辺謙の声が低くなりヒロインの腰を力強く抱くシーンになると劇場は感動に包まれた。
『ウォールストリート・ジャーナル』は、「渡辺謙はブリナーが演じた役の陰りをなくし、楽しくユーモアな雰囲気を出し、国王らしい威厳を保ちながらも自分のスタイルで表現した」と評価した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月20日