炭素関税はWTOの原則に反する

炭素関税はWTOの原則に反する。 気候問題を貿易問題に結びつけ、排出削減の名義の下で生まれたこの新しい貿易障壁は、構想としては確かに非常に精巧である。気候変動問題という道義的高みから、米国の製造業者を保護し、米国政府にも新たな財源を開拓するのだから…

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発信時間: 2010-10-11 14:12:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

オバマ大統領は就任後、エネルギー長官に中国系米国人のスティーブン・チュー(朱棣文)氏を指名した。この新長官が打ち出した最も重要な手は「炭素関税」である。これはワックスマン・マーキー法案の中で「特別関税」として体現されているが、即ち、米国の二酸化炭素排出基準を満たさない外国製品に対し懲罰的な意味合いのある高額の関税を課すというものである。他の国が強制的な温室効果ガス排出削減措置を取らなければ、このためにコストを払っている米国の製造業者は不利な立場に立つことになるというのがその理由で、米国は特別関税の徴収によってこのコストを相殺しようと考えているのだ。

気候問題を貿易問題に結びつけ、排出削減の名義の下で生まれたこの新しい貿易障壁は、構想としては確かに非常に精巧である。気候変動問題という道義的高みから、米国の製造業者を保護し、米国政府にも新たな財源を開拓するのだから。米紙ワシントン・ポストは、「この法案の目的は自国の産業の競争力を保護し、その製品の価格優位性を輸入品より高めることにある」とはっきり指摘している。

米国がこれを始めると、EU諸国などの弟分たちは当然それをまね、すでに貿易保護主義の傾向にある状況がいっそう深刻化する。炭素関税のターゲットは、中国やインドをはじめとする発展途上の排出大国なのである。インドのラメシュ環境相は、WTOで気候変動について協議することを断固として拒絶している。中国外交部の何亜非副部長は、中国は気候変動の名を利用して貿易保護主義を推進することに強く反対すると述べ、その理由について、「世界経済の回復に不利であり、みんなが不利益を被る」からだとしている。商務部の姚堅報道官は、「炭素関税はWTOの基本原則に反しているだけでなく、『京都議定書』で決められた、先進国と発展途上国は気候変動問題において「共通だが差異のある責任」を負うという原則にも反しており、発展途上国の利益を大いに損ねる」と話す。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月

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