中国西南部の一部は昨年秋以降、雨が少なく気温が高い日が続き、深刻な干ばつに見舞われている。今回の大干ばつについて、専門家の意見を聞いた。
気候の予測は、気象部門の主要任務であるはずだが、これほど長期間かつ広範囲に及ぶ干ばつに対し、気象部門はもっと早く予測を発表し、社会各界の事前対応を促すことはできなかったのだろうか?
中国気象局国家気候センター気候予測室の主任技師を務める任福民氏は、上述の疑問に対し、科学技術レベルの限界が原因で、長期間続いている今回の干ばつを正確に予測することが出来なかった事実を率直に認めた。
中国では、気候の予測は、気候モデルと統計を組み合わせた技術に基づいて行われている。任氏によると、現在の気候予測方式は2005年にスタート、予報手段は世界トップレベルにあるという。この先端技術を導入している国は、先進国でも10カ国に満たず、発展途上国では中国だけだ。
「とはいえ、気候予測レベルにも限界があり、人々が期待するレベルとはまだ差が大きい」と任氏は指摘する。通常、気候予測は、降雨量や気温など各要素について、例年の同時期との比較で行われる。しかし、豊かな水資源を備えた西南部での干ばつという極めて異例の気象災害、しかもそれが長期間にわたることは、極めて予想困難だった。
「人民網日本語版」2010年4月8日