「上半期は乾いてカラカラで今は凍り付いている。60年余り生きてきたが、こんなに天候がころころ変わる年は初めてだ」と話すのは、広西チワン族自治区楽業県花坪郷に住むミャオ族の何強済さんだ。
花坪郷の凍りついた道路から眺めると、見えるのは雪に覆われた土地だけで、南国にもかかわらず「北国の風景」が広がっている。強い寒気と低温の温かく湿った気流の影響により、この地は今月3日から氷結や雪の被害に見舞われている。
また北の地域では干ばつが深刻化しており、中国第2の小麦の産地である山東省では50年ぶりの干ばつが発生した。昨年9月23日から今までに山東省全体で観測された降水量は11ミリで、例年の同期に比べ86%も少ない。そのため約406万ヘクタールの畑が干ばつの被害を受けており、いまなお53%の小麦畑が干害を被っている。
中国気象局の陳振林スポークスマンは「中国では2008年初めに北の地域が干ばつになり、南では雪の被害が発生した。そして2年後に再び発生。昨年はこの10年で最も極端な天候になり、発生率や強さ、影響が最も大きかった1年だ」と話す。
オーストラリアやブラジルでは洪水が発生し、欧米の一部の国では雪の災害に見舞われている。世界気候研究計画のガッセム・アスラー事務局長は「世界は異常気象の頻発する時代に入った」と話す。
中国国家気候センターの宋連春主任ら専門家は、北半球の異常気象は北極の寒気によるもので、南半球は今のところ「ラニーニャ現象」に悩まされていると述べ、極地の冷たい空気が絶えず南へ広がり、中高緯度の国や地域に強く影響しており、明らかに南よりの温かい湿った空気も北上しておらず、東部海域がもたらす水蒸気もないため、中国の華北や黄河下游、淮河流域では雨が降らず、広い範囲で干ばつが発生していると説明する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月24日