美しいヤルザンボ河(資料写真)
連続して発生する干ばつのため、長い間放置されていた「西線調水」(西ラインから送水する)構想が再び議題に上がった。先ごろ、中国科学院会員で、清華大学の水砂科学・水利水力発電工程国家重点実験室の王光謙主任は、国の関係機関がすでに「西線調水」構想の検討を始めたことを明らかにした。
なぜ「西線調水」が必要なのか
その日の午後、科学メディアセンター主催の「気候と水力発電に科学的に対処するメディア座談会」で、王主任は「もともとこれは50年後のことだと考えていたが、むしろ今、検討し始めなければならない」と指摘。
なぜ「西線調水」が必要なのか。王主任によると、経済や社会が発展したことで、この数年来、長江や黄河の中・下流域では用水量が大幅に増加している。気候変動といった要素の影響を受け、地表の砂漠化が深刻化しているため、長江や黄河の上流でも流水は減少し続けている。また、地下水を大量に汲み上げているところが多い。例えば、北はハルビンから西はウルムチ、東は上海、南は海南省・海口まで、ほぼすべての大中都市で地下水の過度の汲み上げで、地盤沈下が起きているという。さらに「こうした生産・生活方式が持続不可能なのは確かだ。西南部などの地区は水資源が豊かであり、まだ一定の開発の潜在力はある」と強調する。