ゆえに会議が2週目に入ると、細やかなテクニックは二の次になる。自国の立場に道徳的な正当性を持たせ、より多くの国から支持を得ることが、国家・集団間の中心的な駆け引きとなっている。「妨害者」のレッテルを貼られたがる人は少数だからだ。
この状況下、各国は同じ立場の国どうしで集まり声を上げている。これまで世界気候変動交渉において最も人気があったのは、100以上の発展途上国からなる「G77プラス中国」だ。メディアの報道によると、「高い野心連合」のメンバーは90カ国弱に達しており、多くの発展途上国が含まれる。
気候温暖化の主な責任者、気候変動資金の拠出の約束を守らず信頼を失ったEUが、「高い野心連合」の旗を掲げることができたのは、交渉における「抱き込み」戦術によるものだ。
ある国際関係の観測筋は、「気候変動の最も分かりやすい被害者、国土が海に埋もれる可能性のある島国は、交渉において最も道徳的な正当性を持つ。EUの戦略は、彼らと共に立ち道徳の光の輪を共有するものだ」と分析した。
後進国、BASICなどの集団と比べ、「高い野心連合」は名称からすでに「侵略性」を示している。我々の側につかなければ、野心がないということだ。
しかしこの急に現れた連合は、疑問視されている。形式的に見ると、既存の交渉集団は代表者を派遣し声を出しているが、本会議の発言者リストの中には同連合の代表者の名が含まれない。これらの国々は、交渉のテーブルの前で談笑している、バラけた集団のように見える。