中国は1958年8月8日に吉林省で、航空機を使った初の人工降雨作業を行い、中国の現代的な人工気象操作事業の新時代を切り開いた。
60年の発展を経て、人工気象操作を行う道具は大砲から航空機、ロケット、高射砲に変わった。国産新型・高効率触媒の研究開発にも画期的な進展があり、活性化の効率が100倍以上になった。人工気象操作は降雨から雹防止、雨と霧の解消、霜の投入などに変化した。
中国気象局人工気象操作専門家、研究員の李集明氏はこのほど、科技日報のインタビューに応じた際に「これらは科学技術の力強い支えを必要とする」と述べた。
人工気象操作はこの60年に渡り、大きな成果を手にした。最も顕著なのは2008年の五輪開幕式だ。8月8日夜、美しい花火が「鳥の巣」の上空に広がった。同日には20回・116カ所で「人工消雨」作業を行い、開幕式の降雨を2回阻止し、五輪における人工気象操作の空白を補った。
「当時、房山の方から市街地の上空に雲が漂うのを目にした。これを迎え撃つため、1000発以上のミサイルを使用した。その結果、豊台や五棵松で雨が降ったが、鳥の巣では一滴も降らなかった」郭虎氏は当時を振り返ると興奮を隠せなかった。これは中国の史上最大規模の人工気象操作だ。また新中国誕生60周年記念式、広州アジア競技大会などの重大活動にも経験を提供した。
内蒙古自治区大興安嶺北部の原生林で今年6月に火災が発生した際に、気象部門は降雨飛行機2機を緊急派遣し、人工降雨作業を展開した。降雨量は5000万から7500万立方メートルに達した。「人工降雨の作業効果は、数千人による消火活動に相当する」
データによると、第18回党大会以降、全国で6194回の人工降雨作業が行われた。飛行時間は1万6871時間。地上からの高射砲やミサイルなどの作業は29万回で、累計降雨量は約2860億立方メートル。雹災害防止による経済効果は累計で約700億元。
李氏は「これは科学技術による発展けん引の結果だ。国家重大科学研究プロジェクトの支持を受け、天地一体化総合立体観測ネットワークが構築された。自主開発された3キロ級精密化雲降雨データ予報システムが稼働開始した。レーダー指揮、自動発射、立体型散布によるミサイル作業システムの開発に成功し、世界トップ水準に達している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月4日