エジプト環境首兼生物多様性アドバイザーで、国連の生物多様性条約(CBD)の同国調整官を務めるムスタファ・フィデル氏がこのほど、首都カイロで新華社の独占インタビューに応じた。
フィデル氏は、中国では生物多様性の保全における取り組みが進んでおり、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の開催を機に、世界の生物多様性に関する政策立案と実践行動をリードすると期待されていると語った。
フィデル氏によると、この会議の重要性は「ポスト2020生物多様性枠組」について話し合い、今後10年間で生物多様性に関して何をすべきか、施策の方向性を明確にし、合意することだという。
「中国は今後2年以内に、生物多様性や環境に関する優れた提唱や施策を行い、実践的な行動をとることで世界をリードする機会があるだろう」
フィデル氏はこう述べ、中国は経済発展だけでなく、生物多様性の保全においても優れた成果を上げているとの認識を示した。例えば、中国の研究者のたゆまぬ努力により、国宝ジャイアントパンダの繁殖で大きな成功を収め、地球上にこれほどまでに愛くるしい動物がいることを多くの人に知ってもらうことができたと語った。
フィデル氏は、中国の生物多様性は非常に素晴らしく、国もこの分野の研究に常に高い関心を寄せていると説明。過去に訪中した際、中国科学院の関連分野の専門家と面会したことがあり、生物多様性の保全に対する前向きながらも慎重な姿勢に感銘を受けたとして、「中国がこの分野で優れた業績を上げることを信じている」と期待を示した。
フィデル氏は、多くの開発途上国が生態系への深刻な脅威や破壊の危機に瀕しており、中でもアフリカ諸国は、劣化した生態系を持続可能な方法で修復・維持することを切実に求めていると指摘。生物多様性の保全はあらゆる開発活動に組み込まれるべきであり、開発事業を立ち上げる際には、開発する場所の生物多様性と生態系をどのように維持するかを勘案する必要があると訴えた。その上で、中国もエジプトもこの点では有益な試みを行い、成果を上げていると語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月16日