第23回東京国際映画祭の閉幕式と授賞式が10月31日、東京の六本木ヒルズで開催された。昨年、受賞のなかった中国映画だが、今年は「鋼のピアノ」の王千源(ワン・チエン・ユエン)が最優秀男優賞を、「ブッダ・マウンテン(観音山)」の範氷氷(ファン・ビンビン)が最優秀女優賞に輝いた。
審査委員から好評だった「ブッダ・マウンテン」は最優秀芸術貢献賞、最高賞となる東京サクラグランプリには、イスラエル映画「僕の心の奥の文法」が受賞した。また審査員特別賞には98歳の新藤兼人監督が選ばれ、その他にも最優秀アジア映画賞は、韓国のシン・スウォン監督による「虹」が輝いた。
最優秀男優賞を受賞した王千源は「初めて映画に出演し、初めて映画祭に参加し、初めて受賞した。この賞は私にとって、娘が一番大好きなペロペロキャンデーのようで、これは大人にとってのペロペロキャンデーであり、非常に大きな励ましになる。そして特に張猛監督には感謝したい。監督の支持がなければこの映画を撮り終えることは出来かなっただろう」と興奮気味に語った。また最優秀女優賞に輝いた範氷氷のかわりには李玉が受賞した。
東京サクラグランプリを受賞したイスラエル映画「僕の心の奥の文法」は、1967年に勃発した第3次中東戦争前の平和な雰囲気だった1963年のイスラエルを背景に、成長することを止めた男の子を描いた物語だ。劇中の雰囲気は重いが、ニル・ベルグマン監督は主人公が成長を拒絶する反抗的な心理を捉えながらも、巧みにユーモアの要素を取り入れ、繊細なタッチで撮影している。ニル・ベルグマン監督が東京サクラグランプリを受賞するのは、第15回映画祭での「ブロークン・ウィング」以来2回目。
東京サクラ グランプリ:『僕の心の奥の文法』ニル・ベルグマン監督(イスラエル)
観客賞:ジル・パケ・ブレネール監督『サラの鍵』(フランス)
TOYOTA Earth Grand Prix:『水の惑星 ウォーターライフ』
審査員特別賞:ヨゼフ・フィルスマイアー監督『断崖のふたり』
『日本映画・ある視点部門』作品賞:『歓待』深田晃司監督
アジアの風部門最優秀アジア映画賞:『虹』シン・スウォン監督(韓国)
最優秀芸術貢献賞:リー・ユー監督『ブッダ・マウンテン』(中国)
最優秀男優賞:ワン・チエンユエン『鋼のピアノ』(中国)
最優秀女優賞:ファン・ビンビン『ブッダ・マウンテン』(中国)
審査員特別賞:『一枚のハガキ』新藤兼人監督(日本)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月1日