第十次五ヵ年計画期の四大プロジェクト
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[プロジェクト概要]  
「西電東送」(西部の電気を東部に送る)プロジェクトは、西部大開発の重点工事である。「西電東送」とは、貴州、雲南、広西、四川、内蒙古、山西、陝西などの省と自治区の電力資源を開発し、電気が不足している広東、上海、江蘇、浙江および北京・天津・唐沽地区に送電するものである。

中国は水資源に恵まれ、開発可能な発電容量は3億7800万KW、年間発電量は1億9200KWHに達すると推定されている。しかし、水資源の分布はアンバランスで、90%の開発可能な発電容量は西南、中南、西北地区に集中し、そのうち、長江の中上流と西南部の国境へ流れる河川が最も多く、全国の60%を占めている。全国各地の水力発電量と電気使用量が不均衡なので、客観的に水力発電と利用が制約を受けている。1999年末現在、全国の水力発電設備容量は7300万KWで、開発可能な発電容量の19%しか占めなかった。そのほか、中国の石炭資源も主に山西、陝西、内蒙古などの西部に分布している。経済が発達した東部の沿海地区はエネルギー資源が非常に不足しているのに、北京、広東、上海など七つの省・直轄市の発電気使用量は全国の40%以上を占めるにいたった。

「西電東送」プロジェクトの実施は、経済の発展に応じて、資源の分布と生産力の配置を最適化させることであり、西部地区の資源の強みを経済の強みに転換し、東西部地区の経済の発展を促す重要な措置でもある。計画では、「西電東送」をおしすすめるには、三つの送電ルートをつくることになっている。一は、貴州省の烏江、雲南省の瀾滄江と桂林市・貴州省・雲南省の境界地帯を流れる南盤江、北盤江、紅水河の水力発電所の電力および雲南省と貴州省の炭坑火力発電所の電力を広東省に送る南部ルート。二は、長江三峡、金沙江の水力発電所の電力を華東地区に送る中部ルート。三は黄河上流の水力発電所の電力と山西省、内蒙古自治区の炭坑火力発電所の電力を北京・天津・唐沽地区に送る北部ルート。
 
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烏江・洪家渡水力発電所の着工式
建設中の烏江・洪家渡水力発電所