中日の経済・貿易協力にリスクとチャンスが併存
『報告』では、2009年の中日の経済・貿易協力は国際金融危機の深刻な試練を経験したが、双方の協力の基礎はしっかりしており、全体的に見ればリスクとチャンスが併存し、下降の中で上昇したとしている。中日経済ハイレベル対話で両国の経済・貿易分野の戦略的互恵関係は強固なものになり、中日貿易は下降の中で上昇し、日本の対中投資は低迷を脱し、中国の対日投資は逆風の中で上昇し、中日の省エネ・環境保護協力が進み、中日韓の協力に積極的な進展が見られた。二国間貿易を見ると、2009年の中日間の貿易額は2288億5000万ドル、前年比14.2%減で初めてのマイナス成長となったが、日本はEUと米国に次ぐ中国第3位の貿易パートナーの地位を維持している。投資分野については、2009年下半期、日本の対中投資は年初めの低迷を脱し活発化し、通年で投資プロジェクト件数は1275件、前年比11.3%減、投資額は41億1000万ドルで同12.4%増となった。そのほか、中国の対日直接投資は逆風の中で上昇し、大規模なM&A(合併・買収)が増加した。蘇寧電器は5700億元で家電量販店のラオックスの株式27.36%を取得し、中国企業による日本上場会社に対する初のM&Aを成功させた。
『報告』によると、2010年、中日の経済・貿易協力は新たなチャンスに直面するが、新たな試練にも直面する。双方は省エネ・環境保護、技術貿易、サービス貿易、双方向投資、中小企業、第3国市場の共同開発、地域協力などで協力を進め、中日の経済・貿易分野の戦略的互恵関係がより高いレベルに発展するように促進し、アジアひいては世界経済の安定、繁栄、発展に貢献できるよう努める必要がある。