5月29日から6月5日、チャイナネットの張咏潔記者は、東日本大震災後日本を訪れた初めての中国人の大型観光団に参加し、天津から「燕京号」に乗って海を渡り、神戸港に上陸し、関西地方にやって来た。この旅を振り返り、記者が自らの言葉で日本での体験を綴った。
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(5))「心配」から「懐かしさ」へ
大震災後の初めての日本旅行である「関西の旅」が、間もなく終わろうとしている。旅行の前に感じた地震後の放射能問題への心配は、京都、奈良、大阪、神戸に来て、関西地方の華やかさで一網打尽になった。見聞きした全てが、私に関西地方の平穏無事を教えてくれた。
この2日間の成果をまとめてみよう。清潔整然とした日本の街であまり見掛けないのは、迷惑駐車で道を塞ぐ車輌と、乱立する無許可建築の小店舗である。あまり耳にしないのは、すれ違う車が鳴らす甲高いクラクションの音と街頭の騒がしさである。路地は、終わりが見えないほどに、延々と続いている。軽自動車が狭い道を走っている様子は、良く調和が取れている。口の中には、まだ、たこ焼の香ばしい味が残っている。改良版の中華料理は、異郷の者に故郷の味を思い出させる。清水寺付近の個性的な小さな店の中には、「最も美しい関西」が隠れていた。
日本に来てから、日本人はどうしてあんなに「すみません」を口にするのかが、やっと分かった。それは、日常的な挨拶言葉であって、また、正に、日本人の性質を映し出すものでもある。旅行の前に見た、日本の震災後の避難に関する報道の秩序ある行列の映像で、ある日本人が、自分勝手な行動は人に迷惑をかける、自分のことだけを考えていては状況は良くならない、と語っていたことを思い出す。日本に来たら、「他人のことを考える」ということが、日本人にとって本当に大切なのだと気付かされることだろう。
日本がただの小さな狭い土地だと思うのは間違いだ。ここには、まだ面白い所、行くべき所が沢山ある。要するに、一度では廻り切れないし、欲しいものも買い尽くせない。ましてや、私の場合はたった2日間で、しかも、関西地方にしか滞在しなかったのだ。また、私の「旅の悪い癖」が出たようで、旅を終えたと同時に、この地を懐かしむようになった。明日、私は帰りのフェリーに乗るが、50時間以上の船旅の間には、きっと、日本での2日間の慌しい細々とした記憶が忘れ難い喜びに変わるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月16日