5月29日から6月5日、チャイナネットの張咏潔記者は、東日本大震災後日本を訪れた初めての中国人の大型観光団に参加し、天津から「燕京号」に乗って海を渡り、神戸港に上陸し、関西地方にやって来た。この旅を振り返り、記者が自らの言葉で日本での体験を綴った。
◆(1)梅雨入り
長らく陸地を離れていた両足が、今日やっとのことで大地を踏み、神戸港に到着すると、遂に2日間にわたる関西の旅がスタートした。3月、4月にかけての桜の見頃の時期を過ぎ、丁度、日本は正に梅雨の季節である。しとしとと降る小雨が空気に染み渡り、目の前の景色は洗い流されたかのように澄んで見える。関西の旅の第一歩は、奈良から始まる。
神戸港から、名神高速道路を車で1時間半近く走り、奈良公園に到着した。遠くに深い緑の山々を望み、木立の間に広がる奈良公園には、千匹近くの鹿たちが待ち受けている。鹿は園内で放し飼いにされていて、全く人を恐れる様子がない。150円で鹿煎餅を買い、鹿たちに餌として与えることもできる。
本題から少し外れるが、日本で鹿のいる公園の1つはこの奈良にあり、もう1つは広島にある。長く歌い継がれている「広島の恋」(中国語の歌)の他にも、広島には隠れた願掛けの池があり、恋人達が願掛けをすると必ずご利益があるという。
奈良公園に佇んでいると、一面の木々と山々の緑に包まれ、穏やかで寛いだ心地良さが、空気を通じて毛穴から沁み込んでくるようだ。奈良の美しさは、十分な時間とリラックスした気持で、のんびり気ままに味わうものである。
「道あるところには必ずトヨタ車あり」(中国語で「有路必有豊田車」。トヨタ車の宣伝用キャッチコピー)というように、日本には車が多く、日本では、ついつい免許の取得や車の購入のことに話が及ぶ。自動車学校の入学にかかる費用は人民元に換算して2万元余り。それに、大小9回の試験がある。日本で運転免許を取るのは、名実共に、高額かつ難関なのだ。日本では、車は高価ではなく、旧型車は更に安い。軽自動車が歓迎されるのは、日本人は車を購入する際、まず最初に燃費の良さに注目するからだ。また、より値段の安い中古車の購入者に対しては、政府が車検費用を大幅に加算し、それによって、自動車市場のスムーズな流れを促進している。日本の道路交通の秩序というのは、なかなかのものである。
◆(2)「MADE IN JAPAN」を求めて