三重県上野公園の忍者村。神秘的な木立に、神秘的な「忍者博物館」が見え隠れする。忍者小屋、忍術の歴史館に体験広場と、実に神秘的な色彩にあふれている。
三重県は日本で忍者発祥の地として有名だ。独特の地形と峻険な山地から、生存するために依存する武術や兵法、陰陽術をもとにしたまじないが生まれた。最もその名に恥じないのが、山間部の修行者が広く伝授した忍術だ。忍者の歴史については諸説紛々、いまだに謎は多い。
忍者博物館で文献や実物が展示されたことで、忍者の日常の起居や修練の神秘的なベールがはがされた。修行する忍術には「食・香・薬・気・体」の5種類の必修科目があり、俗に「忍者五道」と呼ばれる。いずれも中国から伝わったものだ。“写真や説明文によると、中国の「孙子の兵法」が日本に伝わった後に発展した兵法が、実は忍術の起源である。枝や葉が生い茂る「忍者の樹」の根元に、鮮やかな赤字で「中国の兵法」と書かれていた。
日本では、忍者をテーマにした小説や映画、ゲーム、漫画は枚挙にいとまがなく、多くの青年が関心を寄せている。そこにいる忍者はそれぞれが絶技を身につけ、神出鬼没し、日本の「義侠心の強い人物」であり、日本の歴史で非常に重要な役柄を演じていると言っていいだろう。忍法帳シリーズは販売数300万部を超す大作となり、忍術文学のブームを巻き起こした。
忍術と忍者に関する起源説は様々だ。中国の学者は、忍術は漢代の五行術が源で、後に日本に伝わったと考えている。一方、日本の学者は、忍者というこの呼び名は江戸時代に始まり、忍術は最初、中国の「孙子の兵法」を起源とし、後に修行道が加わり、変遷と完備を経て忍術へと発展したという考え方だ。