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匠(タクミ)シンドローム
発信時間: 2010-02-11 | チャイナネット

今日の本題は、日本国内での上述の複雑な問題はさておき、現実の中国人のマナー(この文章では、マナーとは、個人間の感情をともなわない、社会、国家や企業などから受容する客観的なサービスに対する態度・取引行為としておきましょう。ですから、友達に挨拶するとか、そういったものは含まれません。)と企業行動についてです。僕からみれば、「実際に」日本のそれよりも、多くの場面で、中国人のマナーは悪いと思えることは多いです。上段で、「中国人のマナーが悪いと日本人が信じることは日本にとって損失だ」ということを批判したばかりなのに、どういうことだ、と思われる方もいると思いますが、僕が批判したのは、日本人がそれを「盲目的に信じる」ということを批判したまでです。

僕が、主張するのは、中国内でマナーが悪い人が多いのは事実であるということで、これは、人口の多さ、そして、教育レベルの個人差異が大きいということに依拠します。それはそうでしょう、日本よりも10倍以上の人口で、さらに教育レベルが、地域によっても同質ではありません。そうした、社会における差異は日本のそれとは比べ物にならず、結果として、「マナーが悪い」人が、比率ではなく、人数として多くいることは事実でしょう。つまり、文化がどうとか、そういう話しではなくて、客観的にそういう社会構造になっているわけです。

さて、こうした前提の上で、話を企業行動にもっていきましょうか。

マナーが悪いというのは、ひとつは、経営学的には「機会主義的行動 (opportunistic behavior) をとる」という反応行動のひとつということができるかと思います。ものすごく簡単にいえば、相手にわからないように「ズル」をしちゃうようなものです。もし、中国人のマナーが悪いのであれば、企業間取引で多くの「ズル」が発生してしまうので、中国企業との取引(中国企業同士でも、外資企業とでも)は、日本国内だけでの取引よりも、コストがかかることになります(詳細な契約書が必要など)。

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