今この時期は、日本で生徒、学生さんたちの就職活動が盛んにおこなわれていますね。学校卒業を一年後に控えた中学、高校、大学、大学院のみなさんは、いままさに、説明会、エントリーシート提出、筆記テスト、面接などに大忙しといったところではないでしょうか。

先日も、僕の知人の石川県の大学に通う女子学生さんがひとつの企業の説明会に参加するためだけに、都内まで往復数万円の交通費を支払って訪れていました。うーん、かなり高額ですよね～。こうした説明会に参加したからといってそれが採用につながる「得点」になるわけでもなく、まさに、「説明会があるから一応いかなくては！」というような、埋没コストのリスクが高いような状況でしょう。

このように、現在の日本のおかれている不況下（景気が今後回復するかは別の問題として、過去に比べてという簡単な意味で）では、雇用者側と被雇用者側の力関係（バーゲニングパワー）は、相対的に雇用者側が強くなりますね。たとえば、民間企業側が採用を少なくするので、内定をうける学生さんが減ってしまい、競争率があがりますと、需給の関係から、採用する側の力が強くなります。

こうした雇用の問題は、重要な経済問題として、失業率、正規非正規のボーダー等の話題も含め多く議論されるところであります。そしてこれが、政治、経済の話題の中心の一つで有るでしょう。。。

・・・というわけで、今回の話題は、就職活動（雇用の需給調整、雇用のマッチング）についてです。日本では、俗に日本的経営とよばれる中のひとつとして、終身雇用と年功序列がありましたね。そしてこれらの存在感が次第に薄れていっている（崩壊している）といわれます。この日本企業に特殊な制度は、とうぜん欧米先進諸国のみならず、中国でも一般的な制度とはいえません。

とりわけ、日本以外では、「仕事」というものは流動的で、その人物があるスキルをもっていて、そのスキルに見合っている職業であれば、より高額な報酬が支払われ、また本人にとっても、金銭以外で満足のいく労働環境である可能性が高いでしょう。結果として、ある程度、業種は近いところではあると思いますが、そうした業種内で、自由に個人は仕事を選んで流動的になるわけです。そうなりますと、マス体マスの雇用側被雇用側の需給調整ですから、その主な「条件」はキャリアやスキルということになると思います。