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江原規由所長、アジアとアフリカの連携強まる
発信時間: 2008-07-22 | チャイナネット

経済発展の著しいインドにとって、アフリカにおける石油・鉱物資源など利権確保は大きな意義があります。中国は、2006年11月に「第3回中国・アフリカ協力フォーラム」を開催しており、資源関連はもとより、アフリカのザンビアに「ザンビア・中国経済貿易合作区」(注3)を建設するなど、アフリカ諸国に対する経済交流面でのアプローチを強化しています。インドはというと、アフリカいる約280万人の印僑などとの関係を生かし、インド企業のアフリカ進出、企業買収などが加速していますが、資源確保、ビジネス面で中国に遅れをとりたくないのが本音でしょう。

5月末には、今度は日本で「第4回アフリカ開発会議」(注4)が開催されます。これには中国は参加の意向ですが、インドは不参加となっています。中印日の三国がアフリカに対するアプローチで競合しつつも、ともに成長する枠組みづくりを模索しているわけです。

元高をチャイナパワーに

「中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット」が2006年11月5日、人民大会堂で開催された

 

FTAとの関係ですが、アジアにはFTAの枠組みに関し、「東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(日中韓)」とするか、「ASEAN+6(日中韓豪印ニュージーランド)とするかの議論があります。中国とニュージーランドとのFTA締結は、より広いアジアFTAの誕生に向けた一歩として、大きな意義があります。アジア・大洋州に広域FTAが誕生すれば、長期的には、アジアとアフリカとのより広域なAA─FTA締結も十分ありえます。

人民元高については、中国の経済・社会の発展にプラス・マイナス両面の影響がありますが、中国企業の対外展開(アフリカでの合作建設区など)など対外経済・ビジネス関係の発展や目下、中国が進める輸入促進には、積極的要因になります。中国が輸入を増やせばアジア経済の安定につながり、将来的には、アジア共通通貨の誕生に大きく貢献するのではないでしょうか。

昨今、アフリカへの世界の関心が急速に高まってきています。バンドンのAA会議は、アジアとアフリカの存在を大きく世界にアピールし、世界史に大きな足跡を残しました。半世紀前のAA会議と同じく、中国には、アジアとアフリカがともに飛躍し、世界経済が裨益する上で、チャイナパワーを大いに発揮してほしいものです。

注1 『ヘラルド』紙  4月8日付け 注2 『朝日新聞』  4月11日付け 注3 合作区については、本誌2008年2月号を参照 注4 5年に1度で、 今回は横浜で開催

「人民中国インターネット版」より2008年7月22日

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