そうすると、アメリカは生活面での消費を減少しなければならない。日本から自動車を買えない、韓国から安い電化製品を買えない、中国から繊維製品やおもちゃを買えない、ということになります。中国はアメリカに輸出する製品を作るために、日本から大変多くの工作機械を買うわけで、その工作機械が売れなくなるわけです。ですから、日中両国間の経済貿易においては、これから影響が出るだろうと思います。
それから、金融面でこれまで大変多くのお金が世界中に回っていましたが、これらは膨張しすぎていましたから、それが収縮していきます。そうすると、中国に対するアメリカの投資も少なくなってきます。ですから、中国の経済発展も少し影響を受けています。
――今、中国と日本がお金を出してアメリカを支援することに対して、それぞれの国内の国民からは不満が出ています。この点についてどう思われますか?
金融危機対応を協議する国際的な緊急首脳会合を11月15日にワシントンで開催します。お金を一番借りて、返せなくなって、世界に迷惑を掛けている国が、自分の国に債権国を集めるのは変なことではないですか?日本と中国のそれぞれの国民はいろいろ反対しています。我々の生活もまだ十分豊かではないのに、なぜアメリカのような大きいプールを持って、贅沢な生活をした国を応援するのかという政治的な不満がいっぱい出てきます。
しかし、応援するということは経済的に、ある程度アメリカを支援することになります。今、世界の経済はドル本位制になっています。ユーロ本位制、人民元本位制、日本円本位制にするだけの実力はまだありません。それから金本位制に戻ると、世界経済は非常に小さく収縮していくと思います。
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