射手矢氏は中国の法体制構築の急速な発展を、日本の最も権威ある法律百科「模範六法」と中国の代表的法律書「常用法律法規全書」を比較して説明している。この両書には共に400件前後の法令が収められており、いずれも3千ページ以上、厚さ8センチ、重さ2キロほどである。「日本にある法律は中国にも基本的にみな整備されているといえます。しかし日本はこれらの法律の制定に100年を費やしましたが、中国はそれをわずか30年でやり遂げました」。
法律コンサルティングの第一線でベテランとして活躍する射手矢氏は、中国が人治国家から法治国家へと巨大な変貌を遂げたことを身をもって感じているという。「初めて中国関連業務に携わった頃は、参考となる法律がありませんでした。私たちはひとつひとつの事案につき、どのように解決したらよいかを政府に尋ねたものです」。
射手矢氏は過去を振り返り、当時、日本人が受けた印象は、中国へ行き投資を行うならば、何よりも「パートナーを探す」ことが重要だということだったと語る。「しかしここ数年お客様方に対して、中国でビジネスを行う上での最も重要なポイントは『良い契約』を書くことですよ、とアドバイスしています。現在ではあらゆる紛糾が法的手段で解決されており、契約上の問題が発生した場合はお手上げですからね」。
中国の法律環境の変化が与えた直接的影響のひとつに、日本で中国関連ビジネスを請け負う法律事務所が増え続けていることが挙げられる。中国の法体系に精通する日本人弁護士は、今や引く手あまたとなっている。
「人民網日本語版」2008年12月10日
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