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中国には3度目の「日本に学べ」ブームが必要
発信時間: 2009-01-16 | チャイナネット

中国は日本から何を最も学ぶべきか

中国が日本に学ぶにあたり、基本となる2つの点がある。第1は最大の共通点、第2は最大の相違点だ。中日の国情の最大の共通点は人の多さだ。そして最大の相違点は「人」の作用が異なることだ。中国において「人」は負担であり、困ったものであり、社会の財産を分割する「分母」であると見なされることが多い。一方日本において「人」は、日本の最大の財産であり、長所であり、資源を創造し、あらゆるものを創造する「分子」であると見なされることが多い。分母を分子に変えられるか否かの鍵は教育にある。

 

中国の3度目の日本学習の要諦は「人の教育」に概括される。日本の本来の条件は中国より劣っている。日本の底力は一流の、組織された人材にあるのだ。近代の日本の台頭を「片手に銃、片手にペン」と形容した人がいる。だが過去半世紀余り、日本人自身はより後者を重視し、教育立国を発展の柱と見なしてきた。100年前、日本の田中不二磨・枢密顧問官は訪日した中国の実業家・張謇に「国の強さは兵ではなく教育にある」と語った。中曽根康弘元首相は「日本が世界2位の経済大国になれたのは、教育の普及と発展の賜物だ」と総括した。

 

日本の教育の最も重要な特徴は、「普及」を重視し、「向上」に長けることだ。日本は明治維新以来一貫して、全国民への教育の普及を国策としてきた。1億3000万人の日本人は、高い入学率、終身教育、資質教育から深い恩恵を被っている。08年には、教育のバックグラウンドを日本に持つ4人の研究者がノーベル賞を受賞し、再び世界の人々が日本の教育に注目した。このうち物理学賞を受賞した益川敏英教授は英語が堪能でなく、パスポートすら持っておらず、日本国内で教育を受けた人々の代表と見なされている。受賞を知った益川教授の第一声「大して嬉しくない」は直ちに流行語となった。だが、尊敬する先輩である南部教授との共同受賞であると知らされると、益川教授は感極まって涙ぐみ、「ずっと南部先生を仰ぎ見てきた。その先生とご一緒に受賞できるなんて、本当に感激です」と語った。自分の名利は全く気にかけないが、尊敬する師のことになると感極まって涙ぐむ、教育学の視点から見ると、このような心がけはノーベル賞の受賞よりも尊いものだろう。この大学者は、反戦運動の活動家でもある。このような人物は日本では決して珍しくないのだ。益川教授の後に、再び私たち中国の現在の教育におけるいくつかの悪弊に目を向けると、「点数第一」ではなく「名利追求」あるいは「学びて優なれば則ち仕う」であり、大学さえもが行政上の等級を賜っている。このような教育理念・制度・基準・内容の下では、中国というこの人口大国は、いったいいつになったら、上に優れた大家、下に合格水準の労働力を擁する人材大国になることができるのか。

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