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「一碗の茶から平和を」を唱える茶道裏千家千玄室大宗匠にインタビュー
発信時間: 2009-03-29 | チャイナネット

■ 茶から交わり 平和を求める

記者 海外の人に向かって、「和敬静寂」をどう説明していますか。

――分かりやすく説明すれば、「一碗の茶から平和を」です。一碗のお茶の中にいっぱい平和があるという考えです。「寂」というのは、消えていくことではなくて、お茶を一服いただいて、落ち着いた気持ちになり、忙しい世の中ではありますが、せめてこの茶室の中で、落ち着いた気持ちになるということです。

「和敬静寂」はまた、人と人の交流そのものでもあります。交流にはきっかけが必要ですが、お茶を点てあって、「お菓子をどうぞ」、「お茶をどうぞ」と言って、お菓子をいただき、お茶をいただく。これには言葉は要りません。ものを言わなくても通じていくんですよ。だから、お茶から交わってもらうというのは大事だと思います。

記者 「茶人」という言葉もあるようですが…

――茶は緑の色、グリーンなんです。グリーンは自然です。グリーンがなかったら、地球はだめですよ。地球は丸いですし、地球の中にグリーンがいっぱいあって、幸せです。そういうお茶の色と一緒になるというのは茶人です。茶人はそういう意味で、「平和の人」なのです。

■ 「一衣流水」の中日交流を

記者 裏千家は中国各地で茶室を作り、茶道人口を増やしてきました。茶道が中国でも大変受け入れられていることをどのように受け止めていますか。

――1978年に、私は人民大会堂で鄧小平閣下と初めてお会いして、お茶を差し上げました。その時に、鄧小平閣下は、「未来の中国のために、若い人たちを何とか立派に育てていきたい。茶道は礼に始まって、礼に終わる。その礼を中国の若い人たちに教えて欲しい」とおっしゃいました。それから、30年ぐらいの年月が流れましたが、その間に茶室ができ、大学生をはじめ、中国の若者に茶道を稽古していただき、大変うれしく思っております。

記者 裏千家はまた、これまで百回以上、訪中団を派遣しましたが、どのような気持ちで送り出すのですか。

――中国はたいへん大きな国で、隅から隅までお茶をしていただくというわけにはいきませんけれども、ある意味では、若い人を中心にして、また年配の方々でも皆がお茶を楽しんでいただける機会を持っていただくために、訪中団を出すわけです。お茶会などの機会をどうぞ一つ皆さんに知っていただいて、自由に参加していただくということがあれば、大変結構だと思います。

記者 中日の青少年交流をとりわけ、重視しているようですが…

――これからの世代は日中、中日の人民交流だけでなく、若い人がもっと交流してほしいです。日本人が中国語をしゃべる、そして、中国人が日本語をしゃべる。これによって、日本と中国が一体となる。一衣流水、揚子江のごとく、長い川になって世界中を流れて欲しいですね。若い人たちは交流して、大きな成果をあげていってもらいたい。世界平和のためにお願いします。

「中国国際放送局 日本語部」より 2009年3月29日

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