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日本の「失われた10年」再考、5つの誤った認識正す
発信時間: 2009-04-13 | チャイナネット

まず、現在の米国政府は1990年代の日本政府より大胆に対応している。経済学者は日本の「失われた10年」から、時期尚早な緊縮財政を実行する危険性や、金融システムに存在する不良資産に対し迅速に対応する必要性など、多くの経験と教訓を総括した。一部の経済学者は「失われた10年における日本企業の債務は、現在米国市場が直面している債務総額を大きく上回っていた」と指摘する。

 

次に、当時日本では、ほぼ全ての不良資産を企業が抱えていたため、政府はより容易に問題を解決することができた。小泉政権が不良資産処理を進めた結果、日本経済は再び高い成長を遂げ始めた。だが、米国は「財政浪費文化」に向き合わねばならず、消費者や不動産所有者だけでなく、多くの金融機関にも関わる問題となっている。こうした状況が米国の不良資産処理を一層困難にしている。

 

さらに、米国のローンを利用した消費ブームが外国人投資家の関与によって推し進められた点も、米国経済の不安定要素の1つとなっている。オバマ政権は国内の納税者の理解を得るだけでなく、海外の債権者との関係を維持する必要がある。

 

5.日本が経済と政治で再び実力を高めることは困難である。

これも正しくない。実際、日本は多くの問題に直面している。日本社会がこの数年で大きな変化を経験したにもかかわらず、政治体制はやや硬直化している。また、世界的な経済危機が日本に多くの困難をもたらしたが、日本政府はこれらの問題に対処する良策を打ち出せないままだ。日本は当面、総人口が減少するという危機的な状況にあるが、政府は実質的な措置を講じていない。政府の予測によると、2050年に日本の総人口は1億人を下回り、65歳以上の人口が総人口の40%に増加するという。こうした問題の唯一の解決策は移民の受け入れであるが、日本人はこのような方法を望んでいない。

 

だが、日本は経済停滞を打開するために、様々な措置を講じることができる。例えば、女性により多くの労働機会を与えることで生産力を急速に拡大させ、外国からの投資を奨励し社会全体の生産効率を向上させるほか、教育改革と企業革新を進めることで経済に一層大きな柔軟性を与えることが可能となる。

 

要するに、日本は軽視することができない存在である。歴史的発展プロセスを見渡せば、日本は社会改革の面で非常に大きな可能性を備えていることが容易に理解できる。19世紀末、日本政府は改革を通じて、日本を近代化に立ち遅れ孤立した状況から脱却させ、世界の列強と肩を並べるまでに成長させた。第2次世界大戦終了後、日本は再び飛躍的な経済成長の奇跡を生み出した。こうした観点から見て、今回の世界的な経済危機が日本にとって「災い転じて福となす」契機になる可能性が高いと言えよう。

「チャイナネット」2009年4月13日

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