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日本で起業する「80後」華人逆境から奮起した衡さん
発信時間: 2009-06-15 | チャイナネット

以前通訳をしていた時、衡さんはある日本人の顧客と知り合い、個人的にもよい関係を築き、会社設立前には中国に案内し中国人の知人に紹介した。「衡さんが会社を設立したら、私とビジネスをしよう」と何度も誘ってくれたので、会社開業後、この顧客と取引を始めた。だが、衡さんの業務拡大に焦る気持ちを知ったこの顧客は非常に厳しい条件を提示したため、中国メーカーに全く利益がでないという思いもよらぬ事態に陥った。損失を出さないために、品質を多少落としたところ、すぐさまこの点をめぐり賠償を請求された。これにより、衡さんの会社は数十万円の損失を被った。

 

損失はそれほど大きくなかったが、開業したばかりの会社にとって致命的な打撃となった。だが、より致命的だったのは、この件で衡さんが意気消沈し、自身の経営者としての能力に疑問を感じ、会社を続けていく気力さえ失ってしまったことだ。この時、誰よりも衡さんを支え励まし慰めてくれたのは中国にいる家族だった。一番年の近い姉がほぼ毎日連絡をくれ、元気を出し会社を続けるよう励ましてくれたので、立ち直ることができた。こうして困難を乗り越え、経験から教訓を汲み取ったことで、衡さんは一段と成長した。

 

それから3年が経ち、衡さんの会社は飛躍的な発展を遂げ、中国四川省成都に「藍之翔工程装飾公司」、江蘇省揚州に「日之泉商貿咨詢有限公司」を設立した。日本では経営分野を食品輸入代行、IT人材派遣、コンビニエンスストア経営の3事業に拡大。従業員数は60人以上に上り、このうち3分の2を日本人が占めている。

 

起業を通じて学んだことは何か。この点に話題が及ぶと、衡さんは「最も重要なのは心の持ち方だ」と述べた。楽観的で穏やかな精神状態を保つほかに、日本においてビジネスを展開する上では日本の生活と文化を理解することが重要となる。「郷に入っては郷に従え」という諺の通り、こうした姿勢が日本におけるビジネスの基本条件であるという。また、衡さんは「起業を通じてさらに友人を増やし、交流し互いに影響を与え合うことで、平凡な生活を豊かで変化に富むものに変えることができる」と語ってくれた。

「チャイナネット」 2009年6月15日

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