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日本で起業する「80後」華人若さを生かして起業
発信時間: 2009-06-17 | チャイナネット

文=李春雁 孫輝

 

日本でたくましく成長を遂げる若い華人起業家たちには、それぞれドラマがある。彼らが経験した起業の苦労、成功の喜び、努力の苦しみ、失敗の辛さは、いずれも人々の心をとらえ、深く考えさせるだろう。日本の中国語総合新聞『中文導報』は数人の若い起業家を取材しその姿を伝えた。

 

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2.若さを生かして起業

今年26歳になる瞿史偉さんは東京大学を卒業した元留学生だ。よく見ると顔にはまだ学生の面影が残っている。2008年10月、瞿さんはある日本人の学生時代の友人とともに株式会社リアルグローブを設立した。10数人の従業員はいずれも学生時代の友人だ。彼らには、ほぼ全員が1980年代生まれで、起業を夢見ていたという共通点がある。

 

瞿さんの分析によると、1980年以降に生まれた若者は、慣例に従わず伝統を覆す果敢なチャレンジ精神を持ち、その多くは計画通りに仕事を進めることを嫌うため、起業の道を選ぶ。「80後(1980年代生まれ)」の若者はより冒険的な精神を持っているという。

 

10年前、復旦大学付属中学に通っていた瞿さんは、交換留学生に選抜され来日した。高校3年間を過ごした後、東京大学工学部に入学。大学在学中にアルバイトで多くの中小企業経営者と面識を得る中で、彼らの中国大陸との事業が香港経由で行われ、非常に多くの手続きが必要となるほか、相当の時間と経費がかかることを知った。そこで、瞿さんは自ら進んでガイド役を務め、日本人経営者の中国視察に同行し、連絡業務を担当した。次第に人脈が広がり、サポートを求めてくる人も増えたため、大学在学中に会社を設立し、業務の効率的な展開を図った。だが、こうした行動は瞿さんにとって社会実践の「小手調べ」に過ぎず、学業を疎かにしていたわけではなかった。アルバイトでも専門と関係のある職種を選択し、その中で現在の会社でパートナーとなる東京大学の学生と知り合うことができた。

 

近年、日本のIT業界は華人の起業ブームで沸いたが、現在生き残っているのはその先駆者達で、ブームに乗って登場した大部分の起業家は静かに姿を消した。こうした状況について、瞿さんは「彼らの多くが手掛けたのは人材派遣業務で、固定の顧客や技術およびアプリケーションの基盤を持っていなかったため、バブルに遭遇し淘汰された」と指摘する。瞿さんの会社は東大出身の専門人材をそろえ、市場で最も需要が高いアプリケーションと技術関連の業務を手掛けていることから、新たなプロジェクトに対しても抵抗感がなく、積極的に展開することができるという。また、従業員は皆若く野心に溢れている。「スタッフに製品の検査やテストなどの退屈な作業をやらせたら、あまり喜ばないだろう」と瞿さんは語る。

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