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『鳳凰週刊』:日本の国際イメージはなぜ中国よりも良好なのか
発信時間: 2009-07-01 | チャイナネット

だが、中国が「国際平和度指数」ランキングで日本を下回った理由は、主に国内問題にある。評価に影響を及ぼすあらゆる国内の要素のうち「難民・亡命者の対人口比率」「殺人事件発生率」「内戦による推定死者数」といった項目で両国は同ポイントであるが、その他の項目では日本がいずれも中国より高評価を得ている。このうち、「人権」に関する項目では日本が1ポイント、中国が3.5ポイントとなっており、西側諸国が依然として中国の人権状況に対し厳しい評価を下していることがわかる。「政治の不安定度」では、日本の1ポイントに対し、中国は2.875ポイントと西側諸国の中国の政局に対する懸念が示された。また、「暴力犯罪」「警察・治安維持部隊の数」「暴力的デモ」「テロ活動の潜在的可能性」などの項目でも、中国の評価は日本よりも低くなっている。

 

客観的に見ても、これらのデータは概ね科学的で信頼性が高いと言える。日本は社会の信頼性、環境保護、貧富の差、教育程度、科学技術のいずれの面でも、中国を上回っているほか、人間関係についても調和がとれている。このため、日本は「国際平和度指数」でも高い評価を得ることができたと考えられる。

 

日本が中国を上回ったランキング結果は警告

現在、中国国内の各界では、中国のGDP総額が近く日本を追い抜くという議論で盛り上がっている。だが、かつて中国を侵略し国民に多大な苦痛をもたらした日本が、国際的に平和な国として中国よりもはるかに良好なイメージを有しているという事実は、我々中国人にとって厳しい警告であり、再考を促すことになるだろう。まず我々がすべきことは、この調査・研究が非科学的だと非難することではなく、日本との間にどのような差があるのかを明らかにし認識した上で、正面から問題に向き合い日本に追いつくことではないだろうか。

 

「国際平和度指数」を発表した経済平和研究所が把握しているデータによれば、中国のGDP総額は4兆1927億900万ドル、日本は4兆9133億6130万ドルとその差は大きくない。だが、1人当たりでは中国は3160ドル、日本はその10倍の3万8580ドルとなる。このほかに、GDP総額が国の全て経済状況を表す指標でないことは、エネルギー利用率、科学技術の応用力、環境保護、教育などの面で、中国が日本に大きく遅れをとっている点からも常識的に理解できる。

 

だが、多くの場合、こうした日本との差が国家イメージの差につながるわけではない。国家イメージは「ソフトパワー」を体現したものであり、戦略を通じて段階を踏みながら意図的に向上させることも可能である。例えば、メディアを通じてポジティブなプラスイメージを対外的に広め、政府または非政府援助活動を行い良好なイメージを確立することができる。自然災害に見舞われた国に対する援助活動もその一例だ。

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