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中日関係に「友愛」は可能か?
発信時間: 2009-10-09 | チャイナネット

国交正常化以来、中日関係は長足の発展を遂げたものの、決して一路順風ではなかった。冷戦思考と「米国一辺倒」の外交政策の影響で、自民党政権は中国との間の政治的論争から常に脱することができなかった。歴史認識問題、領土主権問題、台湾問題がその焦点だ。長年、この3つの焦点が交錯して出現し、両国民間の相互信頼の構築に影響を与え、アジアの両雄としての両国の戦略的協力の構築も妨げてきた。「解放日報」が伝えた。

民主党の政権掌握、鳩山外交の颯爽たる登場にともない、中日関係も新たな局面を迎えようとしている。鳩山外交・新構想の角度から両国関係を展望すると、注目すべき点として、以下の3つが挙げられよう。

まず、鳩山内閣は「友愛外交」を打ち出し、日本外交に新たな理論的基礎を築こうとしている。鳩山氏の「友愛」思想は、オーストリアの政治学者クーデンホフ・カレルギーの「友愛論」が原点だ。カレルギーは「友愛」がなければ、自由は混乱を招き、平等は暴政をもたらすと考え、「人間本位」の「友愛」社会の構築を訴えた。鳩山氏はカレルギーの思想を受け継ぎ、「友愛」こそが、グローバル化による悪弊を是正する良策と考えている。鳩山氏は「友愛論」を前提として、日本はアジア諸国の一員としてのアイデンティティを再認識し、アジア太平洋地域の恒久平和、普遍的な経済協力、安全保障の実現に向けて努力すべきだと訴えている。

次に、鳩山氏は「友愛」思想に導かれ、日本の外交戦略の新構想を模索している。鳩山政権は自民党の「米国一辺倒」政策の変更を始め、対等な日米関係を求めている。その重要な一環が「アジア共同体」構想だ。これは、アジアにおける日本の存在感を高めることで、日米関係に対等性を勝ち取ることが狙いだ。鳩山氏は、日本の基本的な生存空間は、経済的活力に満ち、日増しに相互関係の緊密化する東アジア地域であるはずだと考える。鳩山氏は「アジアには異なる政治体制があるが、『東アジア共同体』は『友愛』精神を出発点として、東アジア各国の中長期目標となるべきだ」と語り、特に「日本はこの構想を通じて、中米両国の間で自らの政治的・経済的利益を守る道を見出すことができる」と指摘する。

最後に、鳩山氏は「友愛論」の視点に立って、最大の隣国である中国との関係を重視している。民主党内にも異なる意見はあるが、主要リーダーや選挙綱領の対中政策に関する記述は、いずれも自民党とは異なる特徴が明らかだ。民主党の政権掌握は、中日両国間を隔てる3つの焦点が相対的に稀薄化し、両国関係が新たな段階に入ることを意味すると言えよう。たとえば鳩山氏は、靖国神社には参拝しないと何度も表明している。台湾問題に関しても、民主党は中日共同声明の原則を遵守し、台湾とは経済・事務レベルの関係のみを維持すると表明している。領土主権問題については、鳩山氏は両国の相互信頼関係に影響を与えないことを前提に、対話を行うべきだと主張している。

こうしたことから、鳩山氏の「友愛外交」が、もし上述の通り、安倍元首相以来、自民党政権が推し進めてきた価値観外交の悪循環から脱することができたなら、とりわけ、自民党が冷戦思考を背景に形成してきた対中外交の制限を克服することができたなら、この民主党のリーダーは、必ずや「友愛」を基礎に、中国の主権を尊重して中国の内政に干渉しないことを前提に、中国と真の相互信頼を築き、中日の戦略的互恵関係を一層充実した、堅固で、揺るぎないものにすることができるだろう。

「人民網日本語版」2009年10月9日

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