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「万博の成功に日本の経験を役立てたい」 |
発信時間: 2009-11-25 | チャイナネット |
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■地球問題の解決と触れ合いに意義があり
――万博はかつて、近代文明の普及に大きな役割を果たしましたが、情報化時代の今、万博を開くことの意義についてどうご覧になりますか。 愛知万博の時も、「いまさら万博?お金ばかりかかって。もう日本では年間1000万人以上の人が海外へ行き、また、1000万人近い人が海外から日本に来るし」という声もありました。しかし、ほとんどの日本人は海外へ行っても、ツアーで観光バスに乗って回るというだけで、現地の人との接触が少ないです。 確かに、今の時代は、通信やインターネットを通じて情報伝達が非常に速くなっています。バーチャル交流の意義を否めないが、一方では、リアルな感じがないまま、世の中が動いており、それによる弊害も現に出ています。 万博は触れ合いのきっかけを作り、民族や文化の多様性、他の国の現状に対してリアルに実感する意義があると思います。地球規模の各種問題の解決に役割を果たし、社会的な実験をして、人々に近未来を見せるのが万博です。 ――日本は愛知万博の開催から得たものについて、今振り返ってみますと、これをどのように総括しますか。 一つはテーマがタイムリーだったこと。日本の持つ知恵、とくに技術と新しい社会の仕組みについて、アピールすることができました。「日本人もクリエイティブな民族だぞ」ということを改めて世界に示すことができたと思います。また、環境意識の向上、人々の参加を促すことにも積極的な役割がありました。 日本にとってだけでなく、とりわけ、地元の人たちの誇れる万博でした。名古屋は五輪誘致でソウルに負け、そのトラウマを払拭することができました。日本にとっても地域にとっても良いイベントでした。 ――万博の運営経験者として、今、上海に一番伝えたいことは? 万博というのは、日本も何十年に一度しか開催できないものです。状況は変わっている。経験のない人がやっている。計画に万全はないですね。ですから、柔軟に新しい困難に対応して、それを克服していくマネージメントの智恵が最も試されるのです。 皆がそれを理解して、新しい困難が日々ある中で、昔の経験にこだわることなく、一丸となってやることが大事です。今、一番かけているのは仕事ですから。 ――上海万博、どのような万博になってほしいですか。 サプライズあり、感動の中に智恵が絞ってある。優しく楽しく、やったら面白い。次を見据えたすごいものがあったなと思わせる工夫がある万博になるよう期待しています。(聞き手:王小燕) 【プロフィール】 中村利雄さん 1946年名古屋生まれ。1970年、名古屋大学卒業後、通商産業省入省。大臣官房総務審議官、貿易局長、中小企業庁長官を経て、2003年から財団法人2005年日本国際博覧会協会副事務総長、翌年に事務総長を務める。2007年から日本商工会議所・東京商工会議所専務理事。 「中国国際放送局 日本語部」より 2009年11月25日 |
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