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日本の若者は論語 中国の若者はベストセラー
発信時間: 2010-01-22 | チャイナネット

「中国新聞ネット」では去年12月31日、日本人の読書に論語が深い影響を与えているという内容の記事が掲載された。2009年、世界第2位の経済大国の日本は、大波の中を浮いたり沈んだりする小船のようで、経済学者は日本の90年代は「失われた10年」だったと言うが、今はこの10年を加えて「空白の20年」になった。

一番同情するのは今年、新成人となった日本の若者たちだ。生まれてから今までに1日も日本のいい時期を経験したことがない。こうした厳しい環境の中で、再び古典を紐解き、そこから生き方や教育の方法を探ろうとする日本人が日を追って増えている。そして日本人たちは中国の論語に「安全な港」を見つけた。

東京文京区にある論語教室では、講師と一緒に子どもたちが「子曰く、学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや」と朗読している。子どもたちは小学校低学年で、その親の多くは30歳から40歳。たまに祖父母がやって来ることもある。講師は子どもたちに中国の先賢の哲理をこう教える。「ただ知識があっても仁がなければ社会ではやっていけない」

今、日本では様々な論語の本がよく売れているという。出版関係者によると、不景気の時には古典の本も影響を受けるが、最近では論語が好調で、まさに世を救うバイブルだという。

では中国の若者は何を読んでいるのだろうか。以前には一部の地方の青少年が国学などの古典を読んでいると報道されたこともあったが、こうしたものは往々にしてメディアの大げさな報道で、伝統文化に触れる読書のイベントは、最終的に浅はかでにぎやかなだけのパフォーマンスになってしまうことが多い。

最近発表された「2009年中国作家富豪ランキング」では、読者層が若者の鄭淵潔や郭敬明、楊紅桜の3人が上位を占めた。3人の作品には多くの読者がいて、もちろんベストセラーにもなっている。若い読者が海外の優秀な若者向けの本を読んでいるにしても、それは「ロード・オブ・ザ・リング」や「ハリー・ポッター」などに過ぎず、深くもなく視野も狭い。たぶん危機の時に心を救い智恵を授けるという立派な本への渇望や衝動がないのだろう。

鄭淵潔の本だけでは若者の読書を満足させることはできない。青少年の読書は意義深い文化プロジェクトであり、その重要な意義は母語に親しみ、自分たち民族自身の文化と文学に親しむことだ。

「チャイナネット」 2010年1月22日

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