ホーム>>中日両国 |
中国で活躍する日本人俳優・矢野浩二 人気の秘密 |
発信時間: 2010-01-31 | チャイナネット |
|
――今後もっとも演じたいと思っている役はありますか。 チャンスがあれば、阿倍仲麻呂を演じてみたいと思っています。彼は遣唐使として、中国で学んだものを日本に持ち帰るために学問を究め、帰国は果たせなかったものの、日中の文化交流の象徴的な存在です。その数奇な生涯を描いた小説があるので、それを元にした脚本をつくることができたら、ぜひ彼を演じてみたい。 日本が韓流ブームに沸いた頃、韓国の連続ドラマの回数の多さに、驚いた日本の視聴者も少なくない。中国のドラマも、日本のドラマとは回数も放映形態も異なる。1回約1時間で30~60回とかなりのボリュームがあり、一般に1日2回分、数週間かけて一気に放映される。その撮影現場も日本とは様子が異なる。 ――中国の撮影現場と日本の撮影現場との違いは。 中国のドラマの撮影は非常にスピードが速く、スケジュールが厳しいです。普通、日本でワンクール11回の撮影なら、3カ月ほどかかります。しかし中国では30回前後のドラマの撮影にかける時間は、およそ2カ月半です。また、日本では第一回からある程度順を追って撮影しますが、中国ではシーンや役者のスケジュールにあわせて撮影します。 たとえば、最近撮影が終わったばかりのドラマ『先鋒』では、スター俳優が何人も、あくまで友情出演という形で登場します。彼らが撮影に参加できるのはごく限られた時間だけなので、とにかく彼らの時間にあわせるのが最優先で、登場人物はみな彼らと共演するシーンを集中的に撮影します。こんなふうに、3週間で百シーンほど撮影しました。このような強行軍の撮影は、日本ではありえません。中国のテレビドラマはその意味で役者に対する要求が非常に高く、役者たちはみな朝早くから夜中まで、一日中撮影を続けます。そんな中で、いつでも自分をベストの状態に調整しなくてはなりません。監督から声がかかったら、すぐに撮影に入ります。ほんとうに大変ですが、役者を鍛えてくれますね。 矢野は最近ではドラマだけでなく、トーク番組やバラエティー番組でもひっぱりだこである。湖南衛星テレビの人気のエンターテイメント番組『天天向上』では、司会者の一人としてレギュラー出演している。
――現在、中日合作のドラマも増え、中国をその活躍、発展の場として選ぶ日本の役者さんも多くなり、新しい中日両国の民間交流の一つの流れになりつつあります。 このような文化交流は非常に大切です。中国人も日本人も、相手の国に対する理解はまだまだ足りないものがあると思います。お互いに対する印象が古いイメージで固定されてしまっている。私は中国で生活するようになって、中国の情況を実感として理解していますが、それは中国に来たことのない日本人にはなかなか想像できない中国の姿です。私たちのように中国で生活したり仕事をしたりしている日本人を通じて、より多くの日本人に中国のことを理解してもらえたらと思います。また、私自身、中国の視聴者との交流を通じて、彼らの心の中の日本人に対する凝り固まったイメージを変えることができればと願っています。 文化には国境はありません。文化はほかの国の人にも受け入れやすいものではないでしょうか。私が出演している中国のドラマを日本人にも観てもらい、過去の歴史についても知ってもらいたいと思っています。中日の交流と友好のために役立つと信じています。中日の交流の友好のために、今後も努力を続けていきます。 矢野浩二以外にも、生活拠点を中国に移し、中国のテレビドラマに出演し、活躍する日本人俳優が増えている。中国の視聴者に広く受け入れられ、親しまれる彼らの活躍で、中国のドラマにおける日本人像の幅も広がっている。韓流ブームに続け、と日本で放映される中国のドラマも増えつつある。彼らの姿を、日本のテレビで頻繁に目にする日も遠くはないだろう。 「人民中国インターネット版」より 2010年1月31日 |
· 矢野浩二さん、中国のテレビドラマで演じた日本軍人のイメージを語る · 日本の軍人を演じる俳優・矢野浩二さんが「チャイナネット」へ
|