第5期中日友好21世紀委員会第1回会合が北京で開かれており、中国側座長を務める唐家璇氏が8日、メディアの質問に答えた。
記者:最近、中国の実力の差は縮小傾向にあるが、それは中日関係にどのような影響を及ぼすか。今、日本では中国の発展を憂慮する声もある。中国がこれ以上発展すれば日本に対し強硬な姿勢に出て、中日間の問題の解決を難しくするのではないかという心配もあるが、それについての考えは。また、今後の中日関係の展望は。
唐家璇座長:47年に及ぶ外交生涯において、日本とのつながりは私個人にとって一番深いものである。仕事などで、日本で10年間生活した。日本のことを常に重視し、関心を寄せ、そして理解を深めてきた。
確かに両国の経済的なトータルの量や実力は拮抗してきた。ただこれは科学的に見るべきではないか。中国のGDPは日本のGDPに迫っているが、中国ならではの特徴もある。中国には13億人の人口がおり、GDPを13億で割ったら、世界的なランキングでは100位以下になる。日本の現在の水準と比べたら大きな差がある。中国は1人当たりGDPが3700ドルほどだが、日本は4万ドルほどだ。また多くの面でも中国は大きく後れている。特に教育はそうである。日本は明治維新いらい教育に大変力を入れてきた。もちろんその間、貿易立国や科学立国などとも言われたが、教育で国民の資質向上をはかるということはずっと変わらず続けてきており、この点は特に重要だと思う。富を作ることは人々の質にかかることであり、この点を比べても日本との差は大きく、見習うべきである。
国連の基準に照らし合わせると、中国でいまだに貧困状態にある人口の数は1億5000万人に上る。労働力構成を見れば、70%の労働力は農村からの出稼ぎ労働者か低賃金労働という状態にある。この点を見ても日本との差は大きい。もちろん、日本もそれなりの問題を抱えているのだが。
この点について、この問題のこの点だけにこだわって考えるのではなく、もっといくつかの側面から全面的に捉える必要がある。つまり、様々な部分を分析した上で中国の発展を検討する必要がある。発展途上国や新興国は先進国がかつて歩んだ道を歩まない。中国は平和的な発展を目指し、これからもその方向を目指していく。中国は決して植民地を作らず、覇権も求めないという決意を早くから表明している。鄧小平氏はこういう言葉を残している。もし中国がいつか覇権を求めるようになったら、世界の人民は中国人民と一緒になって覇権を求めようとする中国を倒したらいい。
私たちは独立、自主、平和という外交政策を堅持している。原則を守ると同時に誠意を持って全ての国と友好的に仲良くすることを望んでいる。いま中国は、アジアにおいては和諧のアジアづくり、世界においては和諧の世界作りを求めている。
この国が発展し、強大化したからといって必ず対外的に強硬姿勢をとるとは限らない。結局その国がどのような外交政策をとるか、その行動をしっかり見るべきである。
平等に、友好的な付き合いを求め、問題があったときは話し合いで解決することが大事である。相手の利益を尊重し合うことができれば、国同士の平和な友好関係の保持が可能だろう。国も人と人も同じだが、全ての点で完全に一致することは有り得ない。そのため、摩擦や紛糾も生じるが、それは問題ない。両国が話し合いで問題を未然に解決する努力をすれば解決できる。それもまた外交官のつとめである。
「チャイナネット」 2010年2月8日