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経済評論家の江上剛氏が中日企業にアドバイス
発信時間: 2010-03-03 | チャイナネット


在中国日本大使館の招請を受け、日本のマスコミで大活躍している作家で経済評論家の江上剛氏が1日と2日、北京の王府井にある中国初の民間ビジネススクールである長江商学院で、「日中経済交流の活発化―ビジネスチャンスの可能性」と「現在の日本の経済状況―企業コンプライアンスの重要性」をテーマに講演を行った。

講演会の冒頭では長い歴史を持つ中日両国の交流を振り返り、両国経済の現状や今後、共に直面する課題、両国が協力できるビジネス分野などを詳しく紹介。また日本に進出を考えている中国企業と、中国に進出しようとしている日本企業にアドバイスをした。

日本に進出を考えている中国企業に対しては「日本の社会や企業のコンプライアンスを理解し、目の前の利益しか求めないといった考え方を改め、日本の企業と協力して『メイド・イン・チャイナ』の新しいイメージを樹立すべきだ」と助言。

江上氏によると、今の日本はデフレの影響で安くて品質のいいものを求めているという。各地方ではデパートやスーパーなどの流通業が疲弊しているが、設備は完備し人材も多いことから、中国企業はそれらのインフラを利用して日本の消費者にアプローチすべきで、今こそ中国企業はブランドのイメージアップに努め、製造拠点から中国のブランドを確立するべきだと語った。

中国市場に進出を考えている日本企業に対しては「中国のため、中国の人々のために、中国の企業になりなさいということを言いたい」と述べ、「中国に進出した企業の中には、中国で失敗してだまされた、立ち退きを要求されたなど、不満や中国の悪口を言う企業が非常に多いが、日本での販売が不振だったからこそ中国に来たということを自覚しなければならない」と指摘。

また上海で大野時装というアパレルメーカーを取材した時の事に触れ、この会社の80歳を超えた社長が語った「中国の企業にならなければならない。日本の企業はいつも日本ばかりを見ており、利益も日本に持っていこうとしている。それでは中国のためにならない。私は中国で人を雇い、人材を育て、税金を払っているからこそ上海でこうして大きな工場を維持させてもらっている」という言葉を紹介し、この言葉を多くの日本企業に伝えたいと話した。

また中国に進出する場合には、技術やノーハウをすぐに真似されると心配する企業も多いが、警戒心を少しゆるめ、お互いに真似をしながら共に成長することは有益だと発想の転換を求めた。

講演の前に挨拶をする片山和之公使

2日に分けて行われた5時間近くの講演には、在中国日本国大使館経済部の片山和之公使をはじめ約200人が足を運んだ。

「チャイナネット」 2010年3月3日

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