宮本雄二(2006-2010年) 63歳 三回の中国駐在経験あり、中国語が流暢
阿南惟茂(2001-2006年) 69歳 三回の中国駐在経験あり、外務省の「チャイナスクール」重鎮
谷野作太郎(1998-2001年) 74歳 外務省の「チャイナスクール」元老、福田康夫元首相の同級生
「17日から丹羽はもはや会社には出勤せず、外務省に出仕しました。ちょっと寂しさを感じています。」伊藤忠商事広報部のある職員は「国際先駆導報」にこのように語っている。
丹羽宇一郎氏
丹羽宇一郎氏は中日国交正常化後の初の民間出身の駐中国大使で、かつ初の「チャイナスクール」出身の職業外交官ではない人物である。
日本経団連「これは特例中の特例ケースだ!」
「これは特例中の特例ケースだ。私もいささか驚いた。一国の大使に就任後はいろいろな権力が手に入る。我々としては新大使が中立と公正の原則を貫く事を願う。」日本最大の経済団体「日本経済団体連合会」会長米倉弘昌氏は7日メディアにこのように語った。
経団連は過去一貫して自民党と密接な関係にあった。民主党が政権を取った後、民主党には経団連と良い関係を築く意向があった。ただ環境保護や企業献金全面禁止等の民主党の政策に対して経団連はかなりの警戒感を持っている。その上に今回大使に任命された丹羽氏は経団連の指導層の出身ではなく、この点でも経団連は不満を感じている。
「丹羽氏が伊藤忠出身である事を考えるなら在中国の日本の大企業、たとえば三井や三菱などは今後も積極的、主動的に大使館に情報を提供するだろうか。丹羽氏が名義的には伊藤忠を離れたとは言っても一般層は完全に関係を断ったとは思わないだろう。」と日中協会のある幹部は分析する。
外交官「なぜ是非とも民間人でなければならないのか」
経済界で疑義が出ているだけではない。外交官たちも今回の任命に対してどっちつかずの模様ながめの態度をとっている。これは今まで大使の地位は、ずっと外交官の世界を歩んできた職業外交官が占める「指定席」であった。
「なぜ駐中国大使が是非とも民間人でなければならないのか。私は依然疑問を感じている。駐米国大使も民間人の可能性があるのだろうか。丹羽氏個人は多分かなり優秀な人物だろうが、たとえば台湾問題等日中米三国間のかなり微妙な問題を正確に判断し、かつ妥当に処理できるのか、私はかなり心配している」外務省の元中国課長浅井基文氏は当社にこのように語った。
民間人を任用する事は、外務省内で大使の地位をめざして長年頑張ってきた外交官からすると、士気の上でもかなりの打撃であろう。「もし丹羽方式が成功してモデルケースになると、今後民主党政権は更に大胆に民間人を主要国の大使に任用する事になろう。これは間違いなく外務省内の既得権益の受益者には見たくない事であろう。」日本のあるテレビ局の政治部の専門家は当社にこのように語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月18日