丹羽宇一郎・新駐中国大使は赴任前の23日、東京の外務省で中国メディアのインタビューに応じ、就任後は中日両国民の文化芸術やスポーツ方面の交流を強化する考えを示した。
「中日間で野球大会をしたり、日本の相撲を中国ですることを考えている。そのほかに日本の茶道や舞踊、アニメなども中国に紹介したい。より多くの中国の現場や農村に行き、多くの中国の青少年と交流し日本を紹介したいと思っている」と、丹羽宇一郎氏は話す。
また、「就任後に最もやらなければならない任務は中日両国民の交流と相互信頼を深めること。民間で歓迎される方法で交流を進める。例えば、上海万博の開幕式で歌手の谷村新司さんは『昴』を歌い、多くの中国人を感化させた」と丹羽氏。
経済界の出身である丹羽氏は、中日自由貿易協定(FTA)の早期締結を望んでいる。中国の経済力は日増しに高まり、日本経済に中国は欠かせなくなっており、中国の経済発展は隣国の日本だけでなく、世界にも影響すると考える。両国の経済発展における協力は、中日両国にとってプラスであるとした。
そのほか、丹羽氏は両国の指導者が長期的な信頼関係を築くことを望んでいる。日本の首相が変われば承諾内容を実行できず、互いに信頼関係を築くのが難しいため、首相が頻繁に変わることを望まないと率直に話した。
丹羽氏は外交官の出身ではない。これは日本では非常に珍しい。「政府の今回の決定は外交官が良くないことを意味するわけでなく、中国では世界的な視野が必要で、経済交流に着目しなければならないことを理解している」と丹羽氏。
丹羽氏は1962年に伊藤忠商事株式会社に入社。10年後に伊藤忠商事は中国と貿易関係を構築した。当時は中日の国交は正常化しておらず、伊藤忠は名実相伴う中日友好商社だった。丹羽氏もこの頃から中日間貿易の業務に関わるようになった。1998年に伊藤忠商事の社長に就任、2004年に中国との関係をより深め、北京市市長国際企業家顧問会議顧問や吉林省省長の経済顧問などを務めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月26日