日本の一部企業の違法行為を抗議する外国人研修生
「勝訴」「私たちは奴隷じゃない」と書かれた紙を掲げる中国人研修生
中国人研修生の多くはひどい環境の中で生活しており、小さな2段ベッドで寝ている
日本でサービス業に従事する中国人研修生
2008年3月、外国人労働者の権益保障を訴えるデモ行進が東京で行われた
7月2日、日本の関係当局が中国人実習生・蒋暁東さんの死は長時間労働による過労死であり、労災事故であると認定した。外国人実習生の過労死が認められた初めてのケースである。近年、日本国内の労働力不足が深刻化し、きつい仕事や汚い仕事に従事する人がいなくなる中、外国人研修制度は一部の違法企業や個人が途上国から安価な労働力を募集して、そこから搾取する重要な手段に成り果てた。
これと同時に、外国人研修生を安価な労働力と見なしたさまざまな醜聞が頻繁にニュースにのぼるようになった。蒋暁東さんの事件は、外国人研修制度に対する疑問を再度引き起こすものとなった。7月5日時点の統計によると、2009年に日本で死亡した外国人研修生・技能実習生は27人で、2008年に次ぐ多さであった(2008年は35人で、過去最多)。そのうち12人に過労死の可能性がある。国籍別にみると、中国人が最多で、21人にのぼる。
毎朝7時30分に出社し、夜の9時前後まで働く。こうした過酷な労働の中、休日は1カ月わずか2日程度。つらさに耐えられなくなった蒋さんは亡くなる前、「残業が多すぎて、とてもつらい」と家族に訴えていたという…
外国人研修生の現状
米国務省はここ数年の「人身売買報告書」の中で、「日本政府は法執行意識が甚だしく欠落している」と何度も批判し、日本の研修生・技能実習生受け入れ行為は、実際には奴隷のようにこき使う「強制労働」であると指摘している…
全統一労働組合の鳥井一平書記長は、「研修生は本国を出るとき、保証金という名目の多額の借金を背負っており、受け入れ企業に絶対的に服従するよう要求されている。これは実際には奴隷労働だ」と指摘する…
このように、日本政府は関係法令を積極的に改正しているものの、外国人研修制度には依然として疑問の声があがっている。『朝日新聞』の7月14日付け社説は、「まだ問題解決にはほど遠い」と述べ、「制度を根本的に再検討すべきである。実態は『労働』なのに研修や実習などとごまかすのは、もうやめるべきだ」と指摘している…
理論上、研修制度は、①日本の中小企業の労働力不足を解決し、②途上国の生産技能の発展に寄与し、③研修生本人にとっても有益という「Win-Win-Win」の制度である…
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月23日