研修制度の見直し
日増しに高まる疑問や批判の声に対し、日本政府はまったく無関心というわけではなく、関係法令の改正や監督管理の強化に着手している。
2007年12月、日本の法務省は「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」をを改正し、「不当行為」の具体的な内容を明確にしたうえ、研修生のパスポートの代理管理や法定基準に適合しない報酬の支払いなどの行為に対して管理を強化した。「指針」は、「不当行為」が行われたら、その企業は3年間、研修生の受け入れ資格が取り消されると規定している。
2009年7月、「入管法」の改正法が公布され、「外国人研修・技能実習制度」も「外国人技能実習制度」に改められた。この改正は、技能実習活動を行う実習生が労働関係法令の保護が受けられるようにするものである。
改正入管法は今年7月1日から執行され、外国人労働者は来日後の研修期間が取り消されて直接「技能実習生」となり、労働関係法令の保護が受けられるようになった。「研修・技能実習制度」は「技能実習制度」に改められ、法的保護が受けられない1年目の研修期間は廃止された。
このように、日本政府は関係法令を積極的に改正しているものの、外国人研修制度には依然として疑問の声があがっている。『朝日新聞』の7月14日付け社説は、「まだ問題解決にはほど遠い」と述べ、「制度を根本的に再検討すべきである。実態は『労働』なのに研修や実習などとごまかすのは、もうやめるべきだ」と指摘している。
同紙はまた、「『実習生』などと言い換えるのは外国人労働者受け入れへの警戒感に配慮したためかも知れない」と指摘。だが、このような現実逃避のやり方は、「日本の社会に必要な議論を先送りするだけだろう」と述べている。