残業は毎月150時間以上 過労死認定の初のケース
7月2日、日本のマスコミや一部の海外のマスコミが中国人実習生・蒋暁東さんの過労死認定のニュースを流した。蒋さんは2008年6月6日、睡眠中に急性心不全になり、社宅で死亡した。31歳だった。
江蘇省出身の蒋さんは2005年12月に研修生として来日し、茨城県潮来市のある金属加工工場で電気めっき技術を学んだ。法律では研修生は残業をしてはならないと規定されているが、蒋さんは毎月100時間にもおよぶ残業を強いられた。2年目に技能実習生となった後は、毎月の残業時間は150時間にのぼり、多いときは180時間を超えた。
毎朝7時30分に出社し、夜の9時前後まで働く。こうした過酷な労働の中、休日は1カ月わずか2日程度。つらさに耐えられなくなった蒋さんは亡くなる前、「残業が多すぎて、とてもつらい」と家族に訴えていたという。
日本の関係法令は、残業時間が月80時間を超えるのは過労死の判断基準であると規定している。蒋さんの遺族は「死因は過労死」として、昨年8月、茨城県鹿嶋労働基準監督署に労災認定を申請した。外国人実習生の過労死で労災申請が行われたのはこれが初めてであり、外国人実習生の過労死が認められたのもこれが初めてのケースである。
ここ数年、外国人研修制度は名ばかりのものとなり、外国人研修生が日本の中小企業や農家の安価な労働力になっていると指摘されている。多くの受け入れ機関が研修生に対し非情な管理を行って、パスポートや健康保険証を取り上げたり、勤務中にトイレに行った・鍵を閉め忘れた・スリッパで外出したといった行為に対して不当な懲罰規定をつくり、罰金を科したりしている。
また、外国人研修生が来日する前に本国の送り出し機関とむすぶ契約にも、人権侵害の内容が存在する。例えば、日本の裁判所や社会団体、マスコミに申し立てをしてはならない、ストライキに参加してはならないなどといったものだ。研修生にあらかじめ違約保証金を支払うよう求めるところもある。