漢語角で講演する田島高志先生。段躍中撮影
「日本僑報」によると、美しく迫力のある中国の京劇は国内外に愛好家が多い。8月8日、東京で行われた星期日漢語角三周年特別交流会には、まさに第一級の愛好家が登場した。元駐カナダ日本大使の田島高志氏である。
今年75歳の田島氏は1998年に外務省を退職後、暇を見つけては東京にある京劇の稽古場で歌っている。このたび多くの来賓や聴衆でにぎわう漢語角の三周年交流会会場でも、司会および参加者の要請により、喉を披露してくれた。
歌ったのは「空城計」の一節。魏の国の将軍司馬懿(しばい)が蜀の国の総帥諸葛孔明の守る城を攻撃したところ、城門が開いているのを目にして、ふと疑いを抱いた場面である。歌詞は「大隊人馬往西城、為何大開両扇門」。田島氏は歌い終わった後のインタビューで、「京劇は、中国の歴史や社会の風俗習慣並びに芸術文化を理解し鑑賞するうえで、興味の尽きないものです。また、一流の京劇俳優(女優を含む)の歌を聴き、演技を観ることは、非常に楽しいことです」と述べた。
中国文化に特別な思いを傾注する田島氏は、当日の基調講演でも、日中友好関係に対する留学生の長期的な役割は極めて重要であること、従って、彼らには単に学問を教えるだけではなく、日本社会や日本文化、日本人についてより多くのことを理解してもらうべきであると語った。田島氏によると、例えば、中国の故周恩来総理は日本に短期留学した際、日本と日本文化に好印象を抱いて帰国した、それで、周恩来総理が後に日中国交正常化のために積極的な役割を果した背景には、留学時代に得たそのような対日好印象があったのだという見方もある。
実際、田島氏自身の京劇への情熱と中国に対する好感も、中国理解から生まれたものである(原文:鄧国輝、訳: 橋本恭子・日中翻訳学院講師)。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月16日