また、茶道では「雪隠」と呼ぶ。これは仏教用語だという。宋代の名僧・雪竇明覚禅師が霊隠寺で便所掃除をしたことに由来するとも、福州の雪峰義存禅師も便所を掃除して大悟したことに由来するとも言われている。残念なことに、当時の中国は「知的財産権」なんてものは知らず、商標の観念もなかったため、今日の日本は正々堂々と茶庭内に設けた便所を「雪隠」と呼んでいるというわけだ。
上記の通り、日本のトイレの呼称は実に多種多様であることがわかる。このほか、「ガーデン」と呼んでいる農村や、「レストルーム」と呼んでいる地方、トイレに行くことを「生け花」と言う人もいるという。
語彙や表現に乏しい日本語の中でトイレの呼称がこんなにも豊富なことから、日本人がいかに「トイレ文化」を大切にしているかがわかるだろう。日本には「トイレ学」という学問もあるという。
トイレは汚いものを包み隠す場所だと見なされてきたが、日本人の理解はこれとは異なり、さまざまな趣向を凝らしている。日本人は開運と金儲けを手助けしてくれる「厠神」を信じている。トイレの中に「厠神」を祀っている家もあり、彼らはトイレに行くときは決して「厠神」の機嫌を損ねてはならないと考えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月8日