APEC首脳会議、なぜ和服を着用しないのか 

APEC首脳会議、なぜ和服を着用しないのか 。

タグ: APEC 和服

発信時間: 2010-11-14 11:22:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 世界的な金融危機が爆発して以来、アジア太平洋地域を含む新興経済国の活躍が目立ち、世界の政治・経済構造に変化が生じている。アジア太平洋地域は世界全体の40%の人口と53%の経済規模を占める。1989年に設立したAPECは現在21カ国・地域が参加する、アジア太平洋地域で最もメカニズムが整った、最も影響力の大きい経済フォーラムとして世界の注目を集めている。「人民日報海外版」が伝えた。

 ▽アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想

 経済のグローバル化が進む中、地域による経済協力の必要性が高まっており、東アジア各国は経済協力面で数多くの成果を残してきた。ASEAN(東南アジア諸国連合)は90年代初め、東アジア地域との協力を提唱、ASEAN+3(中日韓)をはじめ、中日韓各国とASEANを中心とする地域協力メカニズムを築いてきた。今年1月1日からは中国・ASEAN間の自由貿易圏が本格的にスタート、1-9月の貿易額は前年同期比43.7%増の2113億1000万ドルに達し、APECの中でも比較的成熟した自由貿易圏となった。

 とはいえ、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現はそう簡単ではない。世界的な金融危機はアジア太平洋地域にも大きな打撃を与えた。昨年シンガポールで開催したAPECで、参加国の首脳らは同地域の経済の成長パターンを転換すべきとの意見で一致した。今年のAPEC首脳会談で同地域の今後の方向性を指し示す、新たな成長戦略の策定に期待が高まっている。

▽和服着用に関する熱い議論

 これまでAPECに参加した首脳は主催国の民族衣装を着て集合写真を撮影し、和やかな雰囲気の中、会議を終了するのが慣例となっていたが、AP通信によると、今回のAPEC首脳会談では和服は着用せず、普通の正装のまま写真に収まるという。

 日本側はこれに対し、いかにも合理的な説明を行った。AP通信によると、日本政府の関係者は、和服は体を締めつけることから、着心地がよくないとして和服を採用しなかった理由を説明。また、他の政府関係者によると、今年の集合写真の撮影時間は日本の伝統芸能・歌舞伎の鑑賞と公式晩餐会の間に設けられたため、着替えによる慌しさを避けるため、服装については特に要求しなかったという。

 これに対し多くのメディアは、APECメンバーのうち、中国、韓国、フィリピンなど多くの国が第2次世界大戦中に日本の侵略を受けたことから、これらの国の人々にとって和服は単なる民族衣装ではないとし、たとえ和服を用意したとしてもそれを身に着ける首脳はごくわずかだろう。日本政府の対応はこうした状況を避けるためとの見方を伝えた。

 この報道の信憑性はさておき、参加国間の矛盾を無視できないのは確かだ。今年のAPEC首脳会議はG20ソウル・サミットに引き続き13日に始まった。G20ソウル・サミットで各国は為替相場、金融政策、世界の貿易の不均衡などの議題で対立したため、APEC首脳会議は暗雲の中、開催する結果となった。「非公式」を掲げる会議にもかかわらず、参加者は和やかな談話の中で、外交関係の緩和や地域の影響力拡大が図られることに期待をかけている。しかし実際はどうだろうか?それは自ら経験した者にしかわからない。

 「人民網日本語版」2010年11月14日

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