日本のソフトパワーを支える留学生

日本のソフトパワーを支える留学生。 日本は今、ソフトパワーの発展を目指している。留学生が橋渡しをしなければ、ソフトパワーが海外に進出するのは難しい。日本政府の「留学生30万人計画」はただ単に企業の国際化のためではなく、日本が世界から理解を得るための重要な道筋なのである…

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発信時間: 2011-01-28 13:31:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=陳言/フリーライター

何年か前まで、中国語の標識は東京駅にしかがなかった。しかし、今ではどの電車に乗っていても中国語が聞こえてくる。そして、中国語を話しているのは、旅行客ではなく、留学生や日本に仕事に来ている中国人であることが多い。

現在、日本には14万人の留学生がおり、うち中国人は8万6000人で、実60.8%を占める。日本政府は10年後には留学生の数を倍にすると言っている。その頃にも中国人留学生が60%ほどとするなら、その数は18万人に上る。そうなれば東京だけではなく、全国の都市で大勢の中国人学生を見かけることができるはずだ。中国と日本の関係も大きな変化を遂げることになるだろう。

約20年前、円相場の激しい勢いで上昇し、多くの留学生が「留学に行くついでに、大金を稼いで帰りたい」という思いを抱いていた。当時は、あちらこちらのレストランで働く留学生の姿を見かけた。ほかにも、配送会社の運搬作業や会社の清掃をして働く留学生は大勢いた。そして数年後、企業の企画部、国際部、技術部などでも、日本の大学を出た留学生の姿がちらほら見られるようになり、上場している大企業で働く留学生も現れた。

1990年代、日本は盛んに中国への投資を行い、日本企業で働く留学生もどんどん増えた。通訳としても長けている彼らは日本を理解し、専門知識も備えており、日本企業が中国に進出するための重要な切り札となった。その中から、自分で起業するものも現れ、中国企業と日本企業の提携や合併に大活躍することも少なくなかった。彼らはそのようにして、日本の経済界で頭角を現し始めたのである。

日本の経済が発展するにつれ、海外市場への進出は日に日に重要になり、留学生の雇用も増えていった。パナソニックの2011年の採用人数のうち80%が外国籍を持つものである。ユニクロも半分以上は外国人を採用する予定である。

こんなにも多くの留学生が日本には必要なのだろうか。日本だけ見ると、その人数は極端に多いように思えるが、ほかの国と比べると、実は少ないほうなのだということがわかる。文部科学省の調査によると、大学あるいは大学院に在籍している留学生は、日本では2.6%であることに対し、オーストラリアは19.7%、イギリスは15.2%だった。確かに日本は少ないほうだ。

日本は今、ソフトパワーの発展を目指している。留学生が橋渡しをしなければ、ソフトパワーが海外に進出するのは難しい。日本政府の「留学生30万人計画」はただ単に企業の国際化のためではなく、日本が世界から理解を得るための重要な道筋なのである。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月28日

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