3月11日、日本の東北地方を大地震と津波が襲い、大きな被害をもたらした。この地震が日本経済に与える影響について専門家たちの間で議論が巻き起こっている。
地震と津波は自動車工業や観光業に打撃を与え、深刻な負債を背負うことになる日本政府の財政は、更なる圧迫を受けると予想している人たちがいる。一方では、この震災の影響はそれほど深刻なものではないと言う人もいる。インフラの再建は就職率の向上につながり、経済を促進することができる。
財政に痛手
地震と津波の影響で、経済の大黒柱である自動車工場が一部生産中止に追い込まれた。負傷している従業員もおり、トヨタ、ホンダ、日産の22の工場が営業停止となった。
米ワシントンアンドリー大学日本経済研究員のマイケル・スミット氏は「供給チェーンが遮断されるので、自動車の製造業者は、今後数ヶ月は損害をこうむるだろう」と述べた。
また、3月末から4月初めは、日本の旅行シーズンのピークである。多くの海外の観光客が桜を見に日本へやってくる。しかし、地震は旅行業には大きなダメージとなるだろう。
東京と東北地方の一部空港が閉鎖に追い込まれ、900便近くの国内便が欠航にした。
東京行きを予定していた米ユナイテッド航空とコンチネンタル航空の9便が、相次いで他の空港へと目的地を変更した。米デルタ航空は東京で離着陸する29便を欠航した。
そして、日本の港が全て封鎖された。港の封鎖が長引けば、日本の自動車輸出業は滞るだろう。「最悪な状況だ」と自動車コンサルティング社のデニス。・ヴェラクCEOは言う。
借金増える
日本は先進国の中でも最も借金の多い国で、現在負っている負債総額は、国内総生産の2倍だ。
英コンサルティング機関資本経済社・経済学専門家のジュリアン・ジョセフ氏は「社会と経済の受けた打撃が大きければ大きいほど、政府が財政リスクの解決に発揮できる力も決意も弱まってしまう」と指摘した。
日本の政府は負債を抑える努力をしているが、今回の地震後の再建で必要になる膨大な資金は地方政府、そして最終的には中央政府が負担することになる。景気はまた下り坂に歩くことになるだろう。財政は更に悪化し、国民全体が災害後の反動を受ける。また、突然の事態で、政府が切り札にしていた長期財政方案も当面は実施が難しくなった。