「暗黒舞踏」とは日本の舞踊家土方巽が1960年代から1970年代にかけて、ヨーロッパのダンスと日本独自の伝統を結び付け、創造的精神を発揮して、東洋的身体に立脚しつつ、前衛の混合形態を持つダンスのスタイルのことだ。舞踏は日本からヨーロッパを中心に、世界中に広まっているが、中国で演じられるのは初めてだ。
「舞踏――大いなる魂」公演が5日~6日に北京9劇場で行われた。土方巽の直系弟子である和栗由紀夫さんは2日間にわたる公演で前衛芸術としての舞踏を生き生きと表現、中国の観衆を魅了した。
「大いなる魂」は1人の男が冥界や異界を彷徨しながら、様々なものたちと出会い、新しく生まれ変わってゆく死と再生の物語で、今回の北京公演用に新しく作られたもの。舞踏に初めて触れた中国の観衆は息を潜め、静かに公演を鑑賞した。終幕後、10数分もの拍手が続いた。
親子で公演を見に来た父は「衝撃的な公演だ。初めて舞踏を見て、とても新鮮な体験になった。日本の伝統舞踊と西洋のものを融合し、特色ある思想を伝えていた。これから、チャンスがあればまた舞踏を見に行きたい」と興奮しながら話しました。また、息子は「公演の内容はよく分からないし、ちょっと怖かったけど、、面白かった」と語った。