「新華網」18日付け記事:史上空前の大災害の中、日本政府がどのように救援活動を展開するかが、メディアで大きな注目を集めていた。日本政府は様々な救援処置を取っていたが、実際のところ、その「量」も「質」も十分ではなかった。
南三陸町、女川町などの被害が大きい地区では、不思議な現象が見られた。こんなに大きながれきの山の中に、レスキュー隊員はほんのわずかしかいなかった。14日、記者が南三陸町に入ったとき、被災者の生死を左右する「発生から72時間」をまだ過ぎていなかった。しかし、何キロも続く倒壊した家屋の中を、私たち取材班三人はそれぞれ取材活動を展開したが、200~300人のレスキュー隊員を見かけた。なかには自衛隊員や京都や舞鶴などから駆けつけた消防隊員もいた。
レスキュー隊の装備や救援方法は見た限り、マンパワーによる捜索作業が主だった。倒壊した家屋の上を探し、特別な捜査装備は持ち合わせていなかった。また、がれきが道を塞ぎ、車両が通れないなか、パワーショベルなどの重機も入れない状態だった。夜になって、やっと2台のパワーショベルが到着して作業を始め、自衛隊員も200人ほど増員された。しかし、現場には電気などの照明器具もなく、救援作業は辺りが暗くなるとともに中断せざるを得なくなった。記者も現場を離れる時は、車のヘッドライトを頼りに、がれきの中で道を探すしかなかった。数万人にも及ぶ行方不明者がおり、数千人が物資の救援を求めているこの町で、どうしてこの程度の救援規模しかないのか不思議でしょうがなかった。
南三陸町の状況は他の町にも共通する。仙台市周辺のほとんどの地区でも、レスキュー隊員や救援用の重機は数えるほどしか見られなかった。
記者が気づいたもう一つの問題点は、地震が発生してもう1週間あまり経っているが、被災地区の携帯電話も固定電話も未だに不通のところが多い。このことが原因で、政府と被災地区の自治体との連絡が徹底できず、きちんとした状況把握を妨げている。また、地震発生後の被害の大きさの把握にも影響したと思われる。多くの町では、職員やレスキュー隊が実際に足を運んで、状況を把握するしかできず、救援作業の効率を下げてしまった。記者の取材中も、政府が通信設備を搭載した車を動員して通信系統を回復するような動きは見られなかった。ガソリンが足りなかったからなのか、車両が足りなかったからなのかはわかない。
そして最後に、日本政府の社会的資源の導入はどうだったか。仙台市周辺で取材をしていた時、稼動していない重機を町で多く見かけた。これは被災地に足りないものだ。しかし、ガソリン不足により動かすこともままならないようだ。もう少し離れたところのガソリンスタンドにはまだ備蓄があり、10トンから20トンは保管してあるようだ。しかし、これも大規模な停電により、給油することが難しい。また、通信ができないことも石油会社の情報収集を妨げ、現地へのガソリンの輸送にも影響している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年3月20日