「日本の放射能危機の程度については、すでにレベル4からレベル5に相当するというのが大方の予想だが、実際には、レベル5にとどまらない可能性が非常に高い」。中国国際問題研究基金会エネルギー外交研究センターの王海運主任は「世界新聞報」記者のインタービューで、このレベルの原子力利用の安全性に対してかなり懐疑的な姿勢を示した。
王主任によると、日本の多くの原子力発電所新設計画は恐らく再び議論され、安全にかかわる事故も再度検証する可能性もあり、検証後、一部運転中の原発が停止されることもあり得る。こうなれば、日本全体の原発の発電能力は大幅に減少し、従来の多くの計画も大きく変わることになる。さらに王主任は「日本の原発は全国の30%以上を占めているため、計画変更による電力不足は比較的大きい」と強調。
王主任によれば、原子力エネルギーが減少した場合、その他のエネルギーで補充する必要があり、そのためには伝統的な火力発電や新エネルギーに転換せざるを得ない。「新エネルギーは短期間で解決するのは難しいため、石油や天然ガスの消費を増やすしかない」と王主任。日本は石油や天然ガスを大量に購入するだろうし、国際市場にもダメージを与えるだろうと話す。
また、日本のエネルギー外交の戦略的重点もある程度、調整される可能性が高いとして、「現在の中東地域の動乱を見れば、日本のエネルギーの重点はロシアや東アジア、東南アジアなどに向かうだろう」と強調。見て取れるのは、ロシアがすでに日本に対しかなり積極的な姿勢を示していることだ。極めて大きな潜在的ビジネスチャンスがあることから、ロシアは自ら日本に液化ガスや石油の供給を提起。ロシア東部の産業の発展にとっては非常に大きなビジネスチャンスであり、北方四島をめぐるあつれきを緩和する好機ともなる。「日本にはニーズがあり、ロシアには願望がある。双方のエネルギーをめぐる関係はさらに深まるだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月25日