イメージ:国民は政府への信頼を失い、国際社会の多くが非難
▽政府の情報混乱 国民は政府の真相隠ぺいを懐疑
東京・渋谷で21日、数千人が反政府デモを行い、政府に対して今回の大震災における対応の遅れと無能を抗議した。これは日本国民の政府の情報公開に対する不信任と憂慮を浮き彫りにするとともに、放射能漏れや景気の先行きに対する懸念もあらわにした。一部の日本国民は米メディアの取材に、政府が発表する情報は矛盾しており、困惑していると語った。
政府が真相を隠ぺいし危機を薄め、国民の心理を安定させようとしていると疑う国民は少なくない。文部科学省は23日、東京を含む12都県の水道水で基準値を超える放射性物質が検出されたと発表、市民のペットボトルの水の買いだめを引き起こした。これに先立ち当局は幾たびにもわたり、福島周辺とその他の地域の放射線量は人体に影響を与えないと示している。
東日本大震災発生直前、菅内閣は内閣解散の危機に直面していた。客観的にみれば、今回の大震災は劣勢挽回のチャンスだったが、菅首相はそのチャンスをつかめなかった。米シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本研究部長は、管首相には日本国民の信頼を得るに値しないリーダーと語る。
▽日本政府は大災害で危機管理に陥る
「ニューヨーク・タイムズ」は19日に社説で、東日本大震災がもたらした福島第一原発が深刻に損壊した当初の数日間、原発所有者の東京電力(以下東電)の対応は慌ただしく、かつ情報公開を嫌がったと指摘した。放射能漏れが基準値を大幅に超え修復を担当した作業員が一時的に避難した際、ようやく東電と日本政府はあたふたと莫大な緊急措置を取った。東電は海水注入により原子炉の温度低下を試み、警察が高圧ポンプで噴射、自衛隊は隊所有のヘリで水を投下した。社説は、日本の技術力からして、大げさにみえるこうした緊急措置が、本当に最善の解決策だったのか、と疑問を投げかけている。
実際のところ、日本政府と東電が講じた緊急措置は、原子炉を迅速に冷却することも、急激に上昇する国民の恐怖心をすみやかに落ち着かせることもできなかった。11日の大震災で福島第一原発の放射能漏れが発生して以来、核の危機は徐々に高まり、日本政府と東電は現在に至るまで原子炉の実情を公にすることができず、放射能漏れへの対応策をうんぬんするまでに至っていない。
核および危機管理の専門家の多くは、日本政府と東電は核の危機への対応において明らかに準備不足だったとしている。「ニューヨーク・タイムズ」は佐々淳行内閣安全保障室元室長の話として、菅内閣の対応は混乱しており、「危機管理ではなく管理の危機だ」と指摘している。
「人民網日本語版」2011年4月2日