ドイツのヨハン・ハインリヒ・フォン・チューネン研究所は最新の研究レポートで、バルト海の魚介類から検出した放射性物質の量は、北海の魚介類の約10倍であったと発表した。ドイツの科学者は、これは25年前に発生したチェルノブイリ原発事故の影響だとの見方を示している。
1986年にチェルノブイリで発生した原発事故により大量の放射性物質が飛散した。当時、バルト海地域は放射性雲に完全に覆われ、放射性物質を含む雨が降り注いだ。この雨に含まれていたストロンチウム90とセシウム137の半減期は30年であり、セシウム137はカリウム、ストロンチウム90はカルシウムと化学的性質が似ているため、体内に蓄積されやすい。
チェルノブイリ事故発生以来、同研究所はバルト海と北海の魚介類の監視を続けてきた。同研究所がこのほど、ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省の委託を受け、バルト海および北海の魚を調査した結果、バルト海の西側、ドイツのキール湾から検出された放射性物質はバルト海東部に位置するボーンホルム島付近よりもやや少なかったことが分かった。
しかし、科学者は、バルト海の魚介類から検出された放射性物質量は人の健康に危害を及ぼすほどのものではないとの見方を示している。バルト海の魚を食べたとしても、体内に吸収される放射性物質は、自然環境中に含まれる放射性物質の0.01%であるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月25日