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日本赤十字会中国四川大地震復興支援事業現地代表
位坂和隆氏:四川に戻ったのは、笑顔を見たかったから
位坂氏への取材は比較的容易だった。それは、彼が中国で十数年働いており、コミュニケーションに支障がなかったことと、日本での緊急救助活動を終えた彼が、まだ完了していない四川大地震への支援活動を続けるため、再び四川へ戻ってきていたからである。
記者:今回、位坂さんは日本の大地震を、身をもって経験され、またその後の救助活動にも参加されました。その時の様子やお気持ちについて教えてください。
位坂氏:全国数十箇所にあった赤十字病院は地震発生後、ほとんどが倒壊し、たった一箇所、被害の大きかった石巻市の赤十字病院だけが運営を継続できる状態でした。日本はもともと地震の多い国ですが、今回の突然の大地震は、その後の救助活動や医療、物資配送を非常に困難なものにしました。私の在籍していた国際部では、救援物資の運搬や配布のほか、世界各地からの電話にも対応しなければなりませんでした。
記者:中国からの電話もありましたか?
位坂氏:ありました。中国からは毎日、個人や団体による多くの電話を受け、そのほとんどが日本への寄付や物資援助を希望するというものでした。また、日本にいる友人の安否を気遣う電話もありました。それらの電話から、中国人の日本人に対する思いやりの気持ちを感じることができ、赤十字会の全てのスタッフが心を打たれました。
記者:日本国内でもまだ救援活動が必要な今、位坂さんは再び成都に戻り、復興支援活動を続けられています。四川の復興の様子をその目でご覧になり、どのようなお気持ちですか?
位坂氏:日本での救助活動を終えた後、4月1日に再び成都に戻ってきました。そのまますぐに日本赤十字会の綿陽、雲南等での復興建設支援現場で作業を始めました。四川の復興支援活動に携わった3年間で最も印象的だったのは、日本が四川の被災地のために建設した建物や善意の寄付金ではなく、被災地の皆さんのチームワークや前向きな態度でした。四川の復興はとても早く、私は被災地の笑顔が見たいと思い、再びここに戻ってきました。
四川大地震を振り返った日本国際救助隊員①:出発時より気が重かった帰国
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月8日