ひところ前、日本とのスポーツ競技で中国が負けたりするとブーイングが起こったりしていた。私は日本との間でいろいろなことがあったとしても、スポーツの世界にそれを持ち込むのはどうかと思い、よく友人ともそれについて話し合っていたが、過去の出来事があまりにも強烈に脳裏に残っているせいか、一部の人たちにとって乗り越えがたいことであったのも確かだ。しかし、いつかはこうしたことを適切に解決しなければ日中友好に一生をかけた人たちや、中日友好のために一生努力しつづけた人たちにとって悲しむべきことだと思っていた。祖父の時代に起こったことのために、孫の世代までがブーイングにさらされるようでは孫の世代の人たちが可愛そうではないか、とも思っていた。
われわれ日本と関係のある仕事をしてきた人たちのほとんどは、子供にも日本語を勉強させているが、親子でこうしたことを真剣に考えている人が多い。
今回の日本女子サッカーの善戦ぶりを報道した中国の新聞記事を見て、中国の人たちの方が今度は一歩前進したような気がしないでもない。というのは日本のマスコミの中国関係の記事の方が少し中国のマイナス面を多く取り上げているように思えるからだ。