福島第一原発の漏えい事故から7カ月後、初めて政府は大規模な除染作業を行った。福島市は今後2年以内に様々な方法を通じて汚染された建物の放射線量を毎時1マイクロシーベルト以下にする計画だという。
福島市は18日、市の住宅地の放射線物質の除染作業に着手した。これは福島第一原発の漏えい事故から7カ月後、初めて政府が行う大規模な除染作業だ。家屋の洗浄、木の伐採、土壌の入れ替えなど作業量は膨大だ。
しかし福島市の住民からは、全面的に洗浄されても、子どもたちは一時的に別の場所に住ませたいとの声があがっている。
これまでに日本の東北地方では多くの自治会が自発的に学校や公園など公共の場を洗浄してきた。政府が着手した除染作業は18日が初めて。
防護用具を身につけた作業員は汚染の深刻な地域から着手、高圧洗浄機を使って360棟の家屋の外部を除染する作業のほか、公園の木の伐採、土壌の入れ替えなども行った。
汚染された土壌をどう処理するかについて、日本政府は現段階で明確な方針を打ち出していない。
福島市は今後2年以内に様々な方法を通じて汚染された建物の放射線量を毎時1マイクロシーベルト以下にする計画だという。
除染当日、日本政府は除染を含む被災地復興計画にあてる関連予算の増額を求める3回目の要望を国会に提出した。
◇被災者はいつまで路頭に迷うのか?
共同通信社が匿名希望者の情報として伝えたところによると、除染作業だけに日本政府は2500億円を投入する計画だという。
7カ月後にようやく始まった除染に住民からは、政府の対応は遅すぎるといった不満の声が上がっている。この日、陶田さんの福島市にある自宅で最初の除染が行われた。17日に検出された放射線量は、政府の予測の2倍に達する数値だった。
「今ごろ洗浄しても遅すぎる」と陶田さんはNHKの記者に語った。
政府は除染作業に着手したものの、多くの家庭では子どもを一時的に別の場所に住ませることを希望している。陶田さんの18歳になる一人息子は危険を避けるため市外に移ったという。
現段階で、福島第一原発周辺地域で避難生活をしている住民は約8万人にのぼるとされる。多くの住民が気にかけているのは、家を失ったことではなく、いつまでこうした状況が続くのかということだ。