日本の野田佳彦首相は中国メディアから受けた書面インタビューの中で、「私は1984年に日中友好交流3000人訪中団の一員として訪問した。これが中国との最初の縁だった。このため、私はいつも自分のことを『日中交流の子』であると言っている」と述べた。首相就任後初めて中国を訪問する野田首相は、「両国の戦略的互恵関係を深化させ、中国の指導者と共通認識を持ちたい」との意気込みを語った。
中国政府は野田首相の訪中を非常に重視しており、胡錦濤国家主席や呉邦国全国人民代表大会常務委員長、温家宝首相が会談の準備を進めている。中国の指導者は次のように表明している。「中国は日本と共に友好の旗を掲げることを望み、中日国交正常化40周年の各記念イベントや『中日国民交流有効年』活動を誠心誠意に準備している。また、中日両国が「4つの政治文件」(「日中国交正常化共同声明」、「日中平和友好条約」、「友好協力パートナーシップ共同声明」、「戦略的互恵関係の包括的推進共同声明」)で定めた各原則と合意に達した一連の重要な共通認識にもとづき、歴史を鑑として未来を開く精神をももって、政治的信頼関係の強化、交流・協力の拡大、中日戦略的互恵関係の新局面の形成に努める。中日両国は良き隣国、良きパートナーであり、決して敵対してはならない。」
「私は自分のことを『日中交流の子』であると言っている。」野田首相のこの言葉は決してうわべではなく、心から発せられたものである。その謙虚で誠実な態度は人々を感動させ、奥深いその発言は野田首相への期待感を一層高めた。
交流を重んじる。中日両国は一衣帯水の隣国である。「一衣帯水」だからこそ、親しみやすく、歴史の上でも数々の友好が生み出してきた。また、「一衣帯水」だからこそ、ときには摩擦や衝突を生み出し、両国民に痛みを与える不幸な歴史を繰り返した。しかし、常に深い交流を持つことができたのは、「一衣帯水」だからこそである。真摯で友好的な交流を維持していれば、理解が深まり、誤解は消え、友好をベースに大局に立ち、衝突の解消や危機の克服を果たせる。風は吹き、山は動じない。波は大きくとも、水は流れ続ける。
意志は受け継がれる。中日友好関係は二千年の歴史をもつ。これほど長い歴史をもつ国際関係は非常に珍しく、中日関係唯一の優位性である。戦後、両国各界の有識者は中日友好の信念を固く持ち、どんなに困難な環境でも国民を優先し、国民主導で、最終的に戦後の両国関係の回復に歴史的な貢献を果たした。今日、さらに多くの人、とりわけ若い世代が、「先祖の徳を重んじ、歴史を鑑み、世代の友好を図る」という精神にもとづき、先祖が作り上げてきた中日友好事業を伝え、中日関係の素晴らしい未来を築き続けるよう推し進めていくべきである。
過去を継いで未来を開く。中日国交正常化から40年。両国関係はやや特異な道をたどった。冬と春を繰り返しているが、結果的には前進している。不惑を迎え、両国はこれまでの関係を総括し、経験から得た教訓をくみ取らなければならない。長期的な観点をもつことで、中日関係は正確な方向性を維持できる。協力し、ウィンウィンの関係を保つことで、日中関係は絶えず動力を生み出せる。友好を伝承することで、中日関係は新たな歴史を築き上げられる。敏感な問題を適切に処理することで、中日関係は大局の安定を維持できる。
誠意をもって交流する。利益のために付き合えば、利益がなくなれば別れる。勢いで付き合えば、勢いがなくなれば傾く。権力のために付き合えば、権力がなくなれば捨てられる。誠意をもって付き合えば、長い付き合いができる。中日友好21世紀委員会の西室泰三座長の話を借りれば、「心の琴線にふれる交流」を両国は目指すべきである。中日両国は「4つの政治文件」で決定した各原則を遵守してこそ、信頼関係を強化できる。中日両国は国民の相互理解と友好感情の促進をベースにしてこそ、友好関係を維持できる。
「日中交流の子」を心から歓迎したい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月28日